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インタビュー時:43歳(2022年1月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男13歳
関西在住。夫と長男の3人家族。

息子は妊娠27週目に超低出生体重児で生まれ、生後すぐに心臓手術や気管切開を行った。
1歳のとき、人工呼吸器と4時間おきの経鼻経管栄養が必要な状態だったが、家で一緒に過ごしたいと強く希望し在宅療養となった。
成長はゆっくりながら、4歳で自力歩行可能となり、手話のほか、呼気を使って近くなら聞き取れる程度の声で会話もできる。
現在も胃ろうからの栄養注入とたんの吸引が必要である。
現在特別支援学校に通っているが、将来の自立に向け、勉強の機会はもちろん、自力でのたん吸引等を許可してほしいと考え交渉中である。

語りの内容

たまたま病院の待合で携帯で新聞を読んでたら、東大生が開発中というSyrinx(サイリンクス)っていう、ハンズフリーの人工喉頭の記事を見かけました。
従来の人工喉頭は自分のとこ(喉)をこう(手で)当てて話すんですけど、ハンズフリーの人工喉頭はつけたまんま話せるんです。

昔からある人工喉頭は、機械音の発声だけど、Syrinx(サイリンクス)の人工喉頭は、途中で声を失った人だったら、今までの動画とかで自分の音声が残ってたら、その音源を使って発声ができるんです。
だから、声がロボットじゃなくって自分の声、残ってた声でしゃべれる。

うちの子みたいに全く声が出せなくて、今までの音源もない子だったら、好きな音源を選んでしゃべれるんです(笑)。
その文を見て、これだったらと思って。
記事にYouTubeでその動画も上がってたんで、それを見たら、使ってみたいってなって。

そっからは、私が頑張りまして(笑)。
どこに問い合わせよう、ここに問い合わせたらいいんだ。
でも、どうやったらこう、目を引いてくれるかなっていう。

多分そういうところのサイトって、いっぱい企業さんとかいろんな人が問い合わせるだろうしと思って、どうやって問い合わせたら引っかかってくれるかなって思いながら、問い合わせをして。
もう本当に簡単で、新聞拝見いたしました。子どもでも使えますかって送ったんです。
そしたら「子どもでも使えます」って返ってきて。

本人に使ってみたいですっていう動画を撮って、送って。
で、声が出てない状況とかを送ってとかして、症状分かっていただいて、そっから開発中のを使わせてもらえるっていう段取りをして。

小学校の卒業式に「はい」って言うっていう目標を、開発の東大生と作って進めていきました。
今は開発中で(使用法を)知らない人はちょっと使えなくて、私がいるとき(だけ使えるもの)なんで、家の宿題で何か読む、文章を読んだりとか、そういうときに使うようにしてます。

――学校の卒業式で「はい」って言うのは、実現したんですか。

実現しました。

私は: です。

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