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インタビュー時:39歳(2021年2月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男3歳
首都圏在住。夫と長男の3人家族。
妊娠5か月頃、エコーで胎児の脳室が通常より大きく、先天性水頭症と診断された。
出生後、自力での呼吸維持が困難なため挿管による人工呼吸を開始し、その後在宅酸素療法に移行した。
自力歩行が困難で発話がまだない等、発達はゆっくりではあるが、数字や電車に興味をもち親とコミュニケーションを図ることを楽しんでいる。
シンガポール人である夫の両親に会うため、子どもが2歳のときに海外渡航を家族で経験した。
語りの内容
世間一般に、これは脳にいいよとか、発達にいいよって言われるものは、何もかも試したくなるのが親心です。
いろいろおもちゃも買いましたし、これがいいかもって思ったら試してみたりとかしました。
でもやっぱり、親がいろいろ買うものは偏りがほんとにあります。
もちろんはまってくれるものもあれば、一瞬見るけど触りもしないで興味を示さないものもあったり。
今もまだ部屋の隅っこにたくさん置いてあるものとかも、すごくたくさんあるんです。
今、好きになった電車は、散歩中に電車が走っていて、そこで興味を示して好きになったっていう気がしますね。
数字は、ほんとにそれはなんで? って思ったんです。
たまたま実家に遊びに行ってたときに、今の私たちの自宅には、壁掛けカレンダーが一切なくて、もう携帯で親は済ませてしまってるんですけど、実家っておっきい壁掛けカレンダーがあるんですよね。
やたらと数字がおっきくって、そこにおばあちゃんが予定とか書いてまして、そのおっきい壁掛けカレンダーの数字に、一番最初は興味を示したんです。
自分では話ができないんですけど、人に言ってもらうの、息子はなんか好きで、指差してこれ何、これ何みたいな感じの訴えを私たちに聞いてきて。
これは数字で1だよとか3だよとかって言った、それが面白かったみたいで、実家に行くたびに、その壁掛けカレンダーに一目散に行って、これ何、これ何みたいな感じで指差すようになりました。
これってなんか、もしかしたら数字に興味示してきてるのかなっていうふうに、親はいいように捉えて。
それからカード作ったりとかしたら、すごいはまって。
あとお風呂に貼れる数字のポスターみたいなのとかも、すごいはまってますし、今は外に散歩に行くと、道路標識のスピードの30キロですとか、60キロですっていう、あれにすごいはまってて。
30探しの旅じゃないけど、30の標識を探しに行く散歩とかも、今すごい2人ではまってやったりとかして、もう自然に何となく興味を本人が持った、っていう感じだったと思います。
インタビュー13
- 児童発達支援施設に子どもを預けるようになり、気を張って生活していたことに気付き、自分をいたわることも大事だと思った
- 息子が小さい頃は訪問看護やリハビリの方と話すくらい。地域の子育ての場にも入れずに、日々、緊張と孤独の中で生活していた
- 息子は実家の大きいカレンダーに興味を示したことがきっかけで数字にはまった。お散歩で速度標識の数字探しをするのも楽しい
- コロナ禍で家時間が増えたとき息子にYouTube動画を見せたらはまってしまい、電車の動画が見たいと手を打って合図する
- 夫婦2人で生活していた家に息子を迎え、赤ちゃんのいる生活に驚きもあり、病院とは異なる環境で酸素ボンベの位置なども気を遣った
- 息子が2歳のときシンガポールに1週間滞在した。航空会社、酸素ボンベの会社などにあらかじめ連絡しホテルはキッチン付きを手配した
- 子どもと酸素ボンベを背負ってバスに乗っていてもほとんど声をかけられない。その中で近所のおばあちゃんとのなにげない会話がとてもうれしい
- 性別がわかるのを楽しみに夫と一緒に行った検診でお腹の子の異常を指摘された。二人とも何の話か理解できなかった