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インタビュー時:36歳(2019年12月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男2歳
首都圏在住。夫と長男、長女の4人家族。
2017年出産時の医療事故で長男が脳性麻痺となった。
気道狭窄のため気管切開して人工呼吸器を使用し気管内吸引、口腔・鼻腔内吸引が必要な状態である。
嚥下できないので、栄養は胃ろうから注入している。
訪問看護やデイサービス、訪問リハビリテーション、ショートステイなどを利用。
現在は育休中だが、在宅の仕事や月1~2回の出社をするなど仕事を続けている。
語りの内容
息子が生まれる前まで働いてた会社で今も育休を取っていて、育休を取りながら月に1~2回だけ本社に出勤して、コピーとか、ちょっとした掃除とか、ファイルの整理とかっていうような、あんまり負担のかからないような仕事をさせてもらったり、在宅でパソコンを使ってできる仕事をさせてもらってます。
――お仕事先には医療的ケアのことはご説明されたんですね。
はい。生まれてもう一番、家族の次に報告したのが会社の社長で、まず出産の報告と、現状の報告をして、すごく心配をしてくれて。
上司とか、同僚とかにも、仕事の人にはまず一番最初に報告して、そこから、辞めなきゃいけないかなっていうふうに最初は思ったんですけど、会社のほうから絶対辞めちゃ駄目って、言われて。
それは嫌な意味ではなくて、自分の生活を守るためと、やっぱり仕事があることで気持ちが楽になったりとか、絶対するから、今諦めて辞めないで、取りあえず会社には属してなさいっていうふうに言ってくださったので、ありがたくそのようにさせてもらってます。
――会社に行くときには、お子さんはどういうふうに生活しているんですか。
基本的に私が会社の本社に行く日は息子のデイサービスがある日で、デイサービス先にも今日は出勤しますということを伝えて、送り出したらすぐ電車で、1時間ぐらいかかるところに会社があるので行って。
短くて1時間半とか、長くて2時間半から3時間ぐらいしか働けないんですけど、気分転換にはなるので、終わったらすぐバーッと帰ってきて息子を出迎えてっていうような形です。
――今の生活って、自分のこと、お子さんのこと、ご主人のことってあると思うんですけど、切り盛りしていくときに、ここはしんどいなとかはありますか。
あー、しんどいなっていうのは、やっぱ家事との両立だと思うんです。
幸い主人が家事何でもできるのと、割と理解のある主人なので、話せばやってくれるし、息子に関わった先生、特に、女医の先生は、女性の気持ちが分かるので、主人に結構きつく言ってくださったので(笑)。
それもあって主人が自分のやれることは率先してやってくれるので、そこは何とかやれてます。
――結婚する前から随分変わられた感じですか。それとも変わらず優しいなっていう。
多分もともと優しい人であると思うんですけど、特に、息子が生まれてから協力的にはなりましたね。
インタビュー02
- 出産事故で怖い思いをしたにもかかわらず、翌日にきょうだいはたくさん欲しいと夫婦で話し合った
- 息子が生まれ会社を辞めようと考えたが、仕事が支えになると社長が言ってくれ、在宅や月1,2回での簡単な勤務を継続している
- 病院のソーシャルワーカーに退院後の支援について自分で役所に問い合わせるよう言われ、いろんな部署を回って大変な思いをした
- 新居を建てるにあたり、息子と暮らすことを前提にバリアフリーや天井に窓がある家、加湿や空気のきれいな環境を保つ家づくりをした
- 本退院前には自宅に病院の主治医と看護師が来て、ベッドやアラームの位置や動線を確認してくれ、自信をもって在宅療養を開始できた
- 退院前に1か月の母子入院で日常的ケア、緊急対応や外出も想定した訓練を受けた。自信をもって退院でき、やってよかったと思う
- 息子が退院し最初の3か月はケアに不慣れで心身ともに参っていた。夫との間でケアの能力差が開いていることにもイライラしていた
- 息子が障害をもって生まれたことで自分の中の差別意識に気づき、障害者差別をなくす活動につながっている。息子には感謝の思いだ
- 息子に障害があることでどう声をかけたらいいか友人たちも悩んだようだ。話してみると子育ての悩みは同じだといわれ嬉しかった
- 仲間内で愚痴程度に話していた内容を陳情書の形で3つの区議会に出した。改善まではされていないが、まず第一歩だ (音声のみ)
- 障害のある子とない子が一緒に育つ教育環境、医療的ケア児に関する情報が行政の中で連携されるよう求める(音声のみ)
- 電源確保の助成、障害児家族も対象とした避難訓練、災害時の福祉避難所の確実な開設を区議会に要望している (音声のみ)