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インタビュー時:47歳(2022年1月)
関係:母
医療的ケアのある子:長女15歳
関西在住。夫と長女(15歳)、長男(11歳)の4人家族。
長女は生後何日経ってもミルクを飲まず経管栄養が開始され、生後7か月で胃ろうとなった。
3歳頃に染色体の一部欠損が分かり、今後できないことが多いのかと思ったが、その予測に反し娘は歩けるようになり、歌やダンスが大好きな子になった。
普通小学校入学を希望し、地域の大きな支援を受けて看護師配置が実現した。
娘の小学校入学を機に仕事をしたいと思い、現在自宅で英語塾の講師をしている。
語りの内容
鼻注(鼻からのチューブで注入)をしてたんですけれども、ミルクのためにですね。鼻注をしても、がっとすぐ吐いてしまう。でも、赤ちゃんは胃がとっくりの形してるから、よく吐くんだよっていうふうに言われてたので、そういうものなのかと思ったんですが、あまりにもあげた分全部出しますし、おかしいな、おかしいなっていうふうに思いながら。
実際のところ、本当にミルクが全然、体の栄養になっていかないんですね。もうほんとに点滴だけ、点滴からが栄養っていうところがあったので、そっちのほうが私としては心理的に楽で。
なぜかというと、1時間かけて、ほんとに数十ccを一生懸命あげるんです。飲め飲めって。それなのに、ちょっとしたら、またごぼって吐いてとかで。
消化ができないからっていうことで、こう何回も2時間おきとか、あ、3時間おきですね。3時間おきに、やるんですけれど、それが全然難しくなりまして。
点滴の形のようなもので、ミルクを点滴のように、3秒に1滴っていう感じで、速さをコントロールして、注入していく。そして、消化と同時に少しずつっていうふうな感じをやるんですけれど、それも難しかったりもしてたんです。
結局、一日に大きくなる栄養素が取れないので、時間コントロールですね。何時間にこんだけ、何mlのミルクを与えなくちゃいけない。つまり、一番密になったのは、2時間おきに何ccをあげないといけないっていうふうだったんですね。
その2時間おきにっていうのが終わるのが、1時間かけてばらすんですね。だから、1時間かけて与えて、1時間のインターバル。それが24時間なんで12回、一日12回あったんです。ここに、寝れないっていう、この過酷さがあったんですね。
出産してすぐに動脈管開存(の手術)で、心臓のほうは、肥大してたものが、それで元に戻ったんですね。これでやっと心臓の負担が、あれやから、食べれるようになるかなと思ったら、今度はどんどん逆流して。
もうとてつもなく、もう逆流してくるのでっていうことで、胃食道逆流症じゃないかっていうことで、胃と食道のここら辺をきゅっと縛るっていう手術なんですけれど、その手術をしたんですね。
全く縛ると上から入ってこないからっていって、上からはそれなりに、流れるけれど、下から逆流するのを防ぐぐらいの、開けますね。と同時に、あまりにも鼻注では大変なので、胃ろうをしましょうと言われまして、同じ時に手術で胃ろうの造設もしました。
そこから鼻注の困難、苦難さから解放されまして。やっぱり鼻注っていうのは、ここでテープをこう貼るし、抜けたらこう、入れたりするのも、将来、自宅に帰るんならば、お母さんがしなくちゃいけないって言われるんですけれど。
それがすごく怖くて私、ようできなかったんですね。…大人だって、鼻からの、何か胃カメラとかって、それだけでも抵抗があるのに、子どもにそれを私がするなんていうのは。
それも抜くたびにっていうふうに言われたので、そんなことって思いまして。で、胃ろうの造設しました。
インタビュー37
- 食事中、娘の行動で注目を浴びて恥ずかしかったようで、息子が「もう一緒に食べたくない」と言った。ついにこの時が来たと思った
- 私は毎日子どものケアなのに、夫は自由に過ごし腹が立った事もある。でも娘の成長を誰より喜べるのは夫婦2人だけという気持ちだ
- 娘が成長し力が強くなり、高齢の祖父母にお願いしづらくなった。自分の親きょうだいも助けてくれたが、吸引は任せられなかった
- 普通小学校入学にあたり行政との交渉が難航した。議員らにも働きかけて、学校に看護師を派遣してもらい、無事入学できた
- 運動会の組体操で、他の子に混じった娘の姿を探した。今まで目立ちすぎていた娘を探さないといけないことがどれほど嬉しかったか
- 下の子の出産時、長女のケアについて悩んだ。障害児向けの幼稚園で先生方が胃ろうのケアの資格をとって、宿泊で受け入れてくれた
- パソコンやテレビは使い方を教えなくても自分で機能を発見して遊んでいる。音声検索機能で好きな動画や画像を出すのも楽しそうだ
- 胃ろうのルートをつけたまま抱いてルートを引っかけボタン部分が外れてしまったことが2回ある。帰省先では小児対応の病院も材料もなく焦った
- 娘は小学校高学年まで積極的な様子がなかったが、身体が成長すると急にボールつきをしたり、学習意欲があふれてきて驚いた
- 1時間かけて経鼻で与えたわずかなミルクも吐き戻してしまうため、胃食道逆流症の手術をし、退院後のことを考え胃ろうも造設した