お知らせ

『認知症の語り』 出版記念トークイベントの講演録を公開します

イヴ・ジネストさんが飛び入り!トークイベント「当事者の目線から認知症について語ろう」講演録

2016年6月25日(土)、日本看護協会出版会から刊行された「認知症の語り~本人と家族による200のエピソード」の出版記念トークイベントが八重洲ブックセンターで開催されました(詳細はこちら)。

このトークイベントでは、この本を作るのにかかわった人たちに加え、外部からの視点をということで、フランス生まれのケアの手法「ユマニチュード」を日本に紹介された本田美和子先生(内科医)をお招きしていましたが、なんと!ユマニチュードの本家本元、考案者であるイヴ・ジネストさんが飛び入りしてくださいました。

今も介護の真っ最中の長沼由紀子さんや青津彰さんが、ご自身のお母様や奥様への対応についての反省について語られるところでは、聴衆の中にも共感して涙する姿が見られましたし、当事者としてレビー小体型認知症の啓発活動に関わっている樋口直美さんが率直に「病気の進行については人前で話すことがためらわれる」と話されたときには、「認知症」を受け入れられても「認知症の進行」を受け入れることの難しさを多くの参加者が感じられたことと思います。

本田さんはまるでプロの通訳のように、ジネストさんに登壇者の話を伝えて、またジネストさんの感想を訳してくださり、さらにご自身の思いも語ってくださるという八面六臂のご活躍ぶり。ユマニチュードを通じて、治療やケアがそれを施す側の一方的な行為ではなく、患者さんからも贈り物を受け取る双方向的な行為であることを感じる、という本田さんのお話は、日本の認知症のおじいさんやおばあさんがジネストさんとの対話のあとには必ずハグしてほっぺにキスをしてくれる、というエピソードと共鳴して、「認知症は現代社会への贈り物」というジネストさんの言葉が心に残りました。

残念ながら当日参加できなかった方々にも、ぜひこの素晴らしいトーク(語り)に触れていただきたく、登壇者の皆様のお許しを得て、こちらにご紹介します