認定NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン編
『患者の語りと医療者教育―“映像と言葉”が伝える当事者の経験』(日本看護協会出版会・刊)
単行本: 166ページ
本体価格:2400円+税
発売日: 2019/12/1
患者にしか語れない言葉――医療者はそこから何を学ぶことができるのでしょうか
このたび日本看護協会出版会からDIPEx-Japan編で「患者の語りと医療者教育――”映像と言葉”が伝える当事者の経験」が刊行されました。
大手書店の看護学のコーナーのほか、Amazonから購入することができます。また、日本看護協会出版会のサイトでは、目次や「プロローグ」も読むことができますので、ぜひ一度ご覧ください。
DIPEx-Japanが過去10年余りをかけて蓄積した285人分、500時間を超えるインタビューを収録した語りのデータベースを教育に活用する意義と具体的事例を紹介する本です。 DIPEx-Japanの運営委員や会員として、積極的に教育的活用に取り組んできたメンバーだけでなく、外部の方々にもご寄稿をお願いして作り上げました。
看護学部、薬学部、医学部など、学部も講座も多様で、それぞれに工夫が凝らされた活用例が紹介されています。医療者教育に携わっている方々にはぜひご一読いただき、より魅力的な講義の組み立てに活かしていただければ幸いです。
目次
PartI 患者の語りを医療者教育に活用する意義
- 患者の語りが持つ力
- 闘病記を用いた医療者教育――初学者に病いを教える
- 語りを使った教育が刺激・触発する医療者の資質・能力
- 「人の語り」は医療の鏡――人間理解を深めるディスカッションを
- 「患者の語り」の教育的活用の現状――アンケート調査をもとに
PartII 患者の語りを活用した医療者教育
《患者の全人的理解を深める》
- 病い体験・家族関係・就労などから患者を全人的に理解する――「社会学」「福祉社会概論」の教材としての活用
- がん患者の家族の体験を知る――大学院におけるがん看護学教育
- 「認知症の語り」を用いた施設内研修――本人および家族の経験を理解するための教材の作成と活用
《患者主体の医療を考える》
- 根拠にもとづく実践を学ぶ――「疫学・保健統計学」への患者の語りの導入
- 病いの経験を語る患者に宛てる手紙――薬学教育における医療コミュニケーション
- 医学部プロフェッショナリズム教育における患者の語りの活用
- 語りをもとにした「模擬患者参加型学習用シナリオ」の作成とその活用――服薬指導の場面をとらえて
- 個々の患者への適用を重視したEBM教育の実践報告――「公衆衛生学実習」での試み
- 医療・生命倫理における「語り」を活用したディープ・アクティブラーニング――薬学教育における「薬学研究SGD演習」