「健康と病いの語り」とは・・・
健康と病いにまつわる様々な体験をした方々が、自分の体験や思いについて話した語りのことです。
病気の診断を受けた時の思いや、治療法を選択する際の迷いや葛藤、病いをどう受け容れ、どのように切り抜けてきたかは、病気を体験した人でなければ語れません。
日常生活の悩みを解決する工夫やヒントも、体験者ならではのものがたくさんあるはずです。
このような体験者の「語り」は、病気や日常生活に不安を抱える患者や家族に、知恵と勇気と励ましを与えてくれます。
医療に従事する方々にとっても、患者の語りに接することは日々の診療の中ではとらえきれない患者の思いや不安を知る一助になります。
「健康と病いの語りサイト」とは・・・
私たち認定NPO法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」は、『患者主体の医療の実現』を目指して、そのような語りを体系的に集積して、健康と病いの語りサイトを開設・運営しています。
日本全国の体験者を訪ねインタビューさせていただき、お一人おひとりの体験の語りを集めて、語りのテーマや年齢や立場などで分類・整理して「健康と病いの語りデータベース」を構築し、インターネットを介したWebサイトで、誰もが、いつでも、自由に、無料で活用できるようにしています。
現在は以下の8つの語りサイトがご覧になれます。
※現在公開中の8つの語りサイト以外にも、公開に向けて構築作業が進行中の語りサイトもあります。また、将来的にもっと多くの語りを増やしていきたいと思っておりますので、以下の詳細をぜひご覧いただき、私たちのプロジェクトにご協力ください。
健康と病いの語りデータベースについて
健康と病いの語りデータベースについて、その特徴や目的、効果的な使い方など、詳しい情報をまとめていますので、ぜひ以下もご覧になって有効活用してください。
語りデータベースの特徴
患者ブログや医療専門誌・闘病記などと比べて、当サイトの特徴・違いはどこにあるのでしょう?
- 1つの疾患につき複数の体験
- 映像と音声と文章3つの形式で体験者の生の語りを
- 信頼性の確保
語りデータベースの生い立ち
「健康と病いの語りデータベース」のモデルとなっているのは、英国オックスフォード大学の研究者たちがDIPEx(ディペックス=Database of Individual Patient Experiences)という名前で、2001年に立ち上げた患者体験のデータベースです。
2006年3月にDIPEx-JAPAN設立準備会を発足させたことから誕生しました。
語りデータベースの作り方
データベース作成の過程には以下の人たちが役割分担しながら関わって、1つの語りサイトを公開するまでには約2年~3年の時間がかかっています。
- アドバイザリー委員会
- 倫理委員会
- インタビュー協力者
- 調査スタッフ
- 動画編集スタッフ
- ウェブサイト制作スタッフ
語りデータベース構築の公的な研究費助成
「健康と病いの語り」データベースを作るには多大な時間と労力が必要で多くの費用を必要とします。
将来的には、語りデータベースの意義を理解して寄せられる善意の基金によってまかなうことを目指していますが、現時点では、ディペックス・ジャパンの自主財源だけでは厳しいので、国の公的な研究費助成を受けた研究班と協働して作成しています。
語りデータシェアリング
ディペックス・ジャパンでは、体験者の貴重な語りデータを、患者主体の医療の実現に寄与するような、患者支援ツールや教育ツールの開発、学術研究や政策提言を行なうための社会資源として有効活用できるように、積極的に内外の研究者にシェアする取り組みをしています。
公開されていない部分も含む語りのアーカイブを研究者や教育関係者にシェアしていますので、ご希望の方はお申込みください。
利用者の声/「ありがとう」ボタンと「ひと言」アンケート
語り映像のページには語りテキストの下に「ありがとう」と「ひと言」というボタンがあります。
「ありがとう」ボタンは、語り手に感謝の気持ちを容易に表明できるボタンです。
「ひと言」ボタンは、語りを聴いて感じたことを自由に書いていただくものです。
ご覧いただいた方からの「ひと言」は実感に溢れたご感想・ご意見を多くいただいていますので、いくつかをご紹介します。