語りの内容
それはロボット支援腹腔鏡前立腺切除術といいます。ロボット支援という言葉は、少し誤解を生じると思います。というのは、いわゆる意志を持ち固有のプログラムを備えた本物のロボットではないからです。いわば、マジックハンドのシステムです。つまり、執刀医はコンピュータの操作卓に着席します。これは子供のコンピュータゲーム機のようなものですが非常に高価で数百万ポンドはしますよ。手術助手達は全部で6カ所、いや失礼5カ所に小さな切開窓を作りそこから器具類を差し込み、あるいは実際に双眼顕微鏡を装着します。
これで執刀医は患者に差し込まれたこれらの器具を手で操作することができます。そして自分の動きをロボットの動きに合わせて大きくも小さくも動かせます。それでたとえば自分の動き2mmをロボットの動きとして0.2mmに変換でき、執刀医はスクリーンに3次元画像を見ながら極めて精細な動きが出来ます。ロボット装置のもう一つの利点は、外科医の手の震えを除去することにあります。もちろん、これはそもそも私がこの手技に惹かれた理由の一つです。様々な機能、とりわけ勃起機能、を司る非常に重要な神経の周りをいじくり回すのであれば、当然震えのない極めて精密な動きが必要になります。このように、これは基本的にはマジックハンドロボットシステムで、ロボットアームを手動で差し込んでから執刀医がその操作をコンピュータ操作卓で引き継ぐのです。
インタビュー55
- 前立腺生検のような検査の際の患者のプライバシーと尊厳に対する配慮に欠ける点があると感じた
- 診断を受けるとすぐに、インターネットで検索し、有用な情報と”ゴミ情報”を見分けることができた
- DIPExのサイトを見つけ、先輩患者(先に同じ前立腺癌になった患者)と話をし、ほかの患者の体験が役にたった。これらの情報は、何が期待できるかを知るのに手助けとなった
- NHSの情報提供が改善され、誰もがインターネットで自分に役立つような情報を探せるようになることを願っている
- ロボット装置は、外科医の手の震えをなくし、きわめて精緻な動きを可能にしたと説明している
- どのように自分がこの新しいタイプの手術を受けることに決めたかを語っている
- 手術の2週間前に、術前評価が行われた
- 泌尿器専門ナースは患者が骨盤底強化エクササイズのやり方を正しく理解しているかどうかの確認を行った
- 手術は順調に行き、患者は麻酔から覚めたとき痛みを感じなかった
- 患者は翌日ベッドから降り、異なる2種類のカテーテル袋を渡されて帰宅した
- 彼はすぐに回復し、帰宅して2日後には短距離の外出ができるようになったが、薬を飲まなければならず、この薬は下痢を引き起こした
- 彼は、カテーテルを除去した後、失禁を起こしていないことを知って喜んだ。仕事を休んだのはわずか4週間に過ぎなかった