――最初に、今まで病気(前立腺癌)の原因について考えたことがありますか?
ええと、実はありません。多くの人がなっていますから。読んだところによると、年間で約10,000~15,000人が亡くなっていますよね。よくあることですよ。何らかの理由で前立腺が大きくなって、「あれ」を圧迫するのはよくあることです。
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――最初に、今まで病気(前立腺癌)の原因について考えたことがありますか?
ええと、実はありません。多くの人がなっていますから。読んだところによると、年間で約10,000~15,000人が亡くなっていますよね。よくあることですよ。何らかの理由で前立腺が大きくなって、「あれ」を圧迫するのはよくあることです。
――そもそもどうして前立腺がんになったのかを考えましたか?
年齢のせいだと思いました。 55歳以上の男性はほとんど前立腺の問題をかかえていると聞くのでね。 それがどうして癌化するのかはわからないが少なくとも体の他の部分にがんはないし確実に前立腺に限定されたものだし。でもとにかく高齢のせいだと思う。
――始めてさせていただきます。まず体の異変にどのように気付いたのかをうかがいます。また助けが必要なことを何から感じましたか?
初めは、ある晩ベッドに向かう前に起こりました。小便をしようとしたらその中に少量の血が混じっていることに気づいたのです。これはおかしいと思いましたが、そのときは気にしませんでした。それから、眠る直前にもう一度トイレに行ったらまたかすかに血が混ざっていたのです。
――それはいつ頃の話ですか?
2年前です。1998年の4月だったと思います。これはかかりつけの医者に診てもらわなければと思いました。医師はわたしを安心させるように、親切に「記録を取らせてもらいます」と言い、「受けていただく検査がいくつかあります、数が多くなるかもしれませんが」と話しました。「気にするほどのことではないでしょう」と言われわたしもあまり気にしませんでした。
――それでは、前立腺に問題があることを最初にどうやって見つけたのかをお聞きしてもよろしいでしょうか?
私は、とてもひどい排尿困難でした。それで病院行ったら入院することになったんです。あれはかれこれ3年前です。
――最初は、かかりつけ医(GP) を受診したんですか?
ええ、行きました。
――それでその先生は何かしました?あるいは、何か言いましたか?
いいえ、ええと…この時の排尿困難は夜に起こったんです。妻は何から何まで良くやってくれて、彼女がどんなに私を助けてくれたかはとても口では言い表せません。かかりつけの医者に電話すると、病院に連れて行くように言われたので、妻は、息子に頼んで私を病院に連れて行ってくれました。
――しかし、排尿困難だと言った時、尿が出なかったのですか?
出ませんでした。
――行けなかった…
あれはひどかったです。これまでで一番不快な感覚でした。死ぬかと思いました。死にたいとも思いました。
たぶん5年前だと、多分そのあたりだと思います。私は別のことで家庭医 GP に行こうとしていたのですが、その時に排尿が以前とはまったく違うことに気がつきました。いくらかポタポタ落ちる感じとか、途中で出なくなって、また後でトイレに行く、といった調子で、症状はきつくないのです。このことをGPに伝えたら直ちに泌尿器科医に紹介されました。5年ほど前でしたね。
専門医が一連の検査と症状関連の検査を始めました。膀胱機能や排尿検査、勿論PSA(前立腺特異抗原)もありました。その時点ではPSA値は6で、ほんの僅か正常値4からより上でした。医師は何らの処置も提案せず、半年後に再診をしてPSA再検査をすることになりました。
40歳くらいのとき、最初の尿路感染を起こし、それはご存知の通りたいへん不快な経験でした。排尿できなくなるほどのたいへんな痛みで、週の半ばに医者に行かねばなりませんでした。ドクターは簡単な検査をしたのち、感染症にかかったと言いました。私はその段階ではそれ以上のテストは受けず、抗生物質をもらい、それですむように思われました。10日くらいで確かによくなったように思われたのですが、3回ほど痛みがぶりかえしてきてそのたびに抗生物質を飲み、痛みを追いやりました。それから少したって、2年ほど前ですが、抗生物質を飲んでも効かなくなったのです。別の抗生物質を一般医から処方してもらったのですが、彼は地域の病院の泌尿器科の専門医に診てもらうべきと判断し、私もそれに同意しました。6週間ほど待って、泌尿器科専門医に会い、そこで基本的にさまざまな検査への段取りが始まったのです。
重要な時期は7年前だったと思います。日夜問わずトイレに行く回数が増えるといった前立腺に関係する症状が現れ、十分な睡眠が取れなくなりました。これは仕事でも不快なもので、アフリカへ長期出張した際にも飛行機の中で困りました。数人でグループ作業をしていたのですが、明らかな残尿感があってトイレに行って小便をしていると、仕事が10分は遅れるのです。つまり、そういう背景が常にあったのです。でも、私は良い医学書を持っていまして、確か、マクミランガイドだったと思いますが、分かりやすい略図もついていて、いつも調べており、非常に重宝していました。でも、一般開業医に診てもらったときには不愉快でした。「正常ですよ」と言われましたが、彼の対応はまさに典型的なものだったのです。その時私は、59歳でした。
ええと、何ヶ月も前のことだと思います。かなり前のことですが、尿がとても出にくくなって、でもいつも尿意があるようになった時、前立腺の病気かもしれないと気付きました。ひどい組合せですよ、出したいのに出ないのですから、それにトイレに行くときがまた困るんです。公衆トイレに他の人も大勢同時に入ってくるんですが、それがみんな出ていってしまっても自分はまだそこでこれから始めようとしているんですからね(笑)。
――そういった問題はどれくらい前に始まったんですか?
思うに、たしか2、3年前からですが、どんどん悪くなってきて、夜は特にひどく4~5回は起きるのに、ポタポタ出るかどうかくらいでした。トイレに行きたくて目が覚めるのか、ほんとは眠りが浅いいだけで、眠れないからトイレに行きたいと思うのかわかりませんでした。
それは難しい質問です。私の家族にPSAスクリーニング検査に全く反対の立場をとる医者がいます、なぜ反対かというと、私が今おかれているように陽性の結果が出ると、身を守るために4つ5つの選択肢がありますが、そのうちの一つは「何もしない」ということだからです。つまり、この選択をした場合、知らないでいて何もしないでいることに通じます。しかし他方、注意深く経過観察を行うということは何もしないよりはいいでしょう。知っていてモニタリングしていればこそ、どんな治療法を自分が受けたいかの決断ができる立場にいられます。結局のところいいたいのは、年齢や病因的背景により比較的リスクの高い人は、例えば私の場合、自分の息子たちはおそらく45歳過ぎかと思いますが、スクリーニングを受けるのは一つの手でしょう。しかしすべての男性がスクリーニングを受けても、「何をしたらよいかわからない」といわれるだけでしょう。これは多分あまり人々のためにならず、多くの人が不安に陥るかも知れません。そして私は実にたくさんの人が、前立腺がん以外の要因で亡くなることを理解しています。検死をしたらずっと前立腺がんを持っていたことがわかったりするものです。ですから前立腺がんになったことを知ったり、それで死ぬことにはならないというのを知ったりすることは必ずしも役には立たないのです。
立腺がんに対するスクリーニング検査〔主に直腸診、PSA(Prostate Specific Antigen)検査、経直腸的超音波検査など〕を行うことは、多くの人々に不要な恐怖を植えつけるだけであり、利益よりずっと弊害のほうがずっと多いでしょう。スクリーニング検査の更なる開発が進み、PSA検査(前立腺から分泌される前立腺特異抗原PSAが血液中に進出しているかどうか検査)の信頼性が高くなっても、実施に反対だと言っているわけではありません。確実な検査や治療が確立されるまでは、スクリーニング検査の導入には反対票を投じるということですよ。