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英国人の前立腺がんの語り

政府は、財政上の理由から、国民の男性にPSA検査を受けるよう奨励していないと彼は考えている

――次に、PSA検査についてどう考えているか、何かお話ししたいことはありますか?

そうですね、PSA検査についてはかなり政治的な課題だと私は考えています、そして政治的な課題となっている理由についても理解しています。私情をはさまずにこの問題をみてみると、確かにPSA検査は精度の高い検査であると言えませんが、医療権威者集団や患者たちが盲目的に信頼し使っている他のスクリーニング検査や診断検査の多くと比べれば精度は高いです。
PSA検査についての、医療専門職へと、医療専門職から一般の人たちへの説明が悪かったことが大きな問題と考えています。PSA検査は、子宮頚管の細胞診やマンモグラフィーよりも精度の高い診断検査です、ここで唯一つ標準的な診断検査として結腸鏡検査を挙げますが、この唯一の診断検査の結腸鏡検査の方がPSA検査よりも精度は高いです、ただしとても優秀な直腸専門の外科医か内科医に検査してもらえばの話しですが。PSA検査の欠点は、検査結果が偽陽性となることがよくあることです。この欠点は誇張されすぎてきました。検査結果が高くもなく低くもない中間の値となった患者は落ち込む必要はありません、10日かそこいら待って再検査をすれば、検査結果が本当に偽陽性であるか満足のいく結果であるのかがわかります。結果を待つ患者にとってはつらいことですが、衝撃的なことではありません。PSA検査を国民がより早く受けられるような方法を見つけるべきです。実施をあきらめてはいけません。

――PSA検査を実施しない主な理由は、財政的な理由だと考えていますか?

主な理由は、財政的な理由だと考えています、というのもPSA検査自体は費用がほとんどかからないのですが検査結果が陽性となった人へ引き続き行う二次検査の費用が高いのです。二次検査は、検査材料の実価格、放射線科医の時給、検査機関の時間使用料が高価で、しかも放射線科医の診察台を30分ほども塞いでしまいます。その上もし偽陽性の結果がすべて偽陽性ではなく本当に陽性であれば、医療現場にかかる時間的な負担は実に相当なものになるでしょう。泌尿器科クリニックや予約リストは満杯になるでしょう。世間に正直に打ち明ける代りに、PSA検査の費用を負担する方法を探す必要があるのに検査の負担ができないと言う代りに、政府は医師に、医師は患者に、この検査は精度の低い検査だと言っているのです。精度の低い検査では偽陰性の結果がものすごく多く得られますが、PSA検査では、政府が支持し承認している他のあらゆる診断検査よりも偽陰性の結果は少ないです。お金の問題なのです、国民の男性が死ぬのを放っておいているのです、なぜなら政府は国民の男性が死ぬのを放っておくことで財政を節約しているのです。

英国人の前立腺がんの語り

スクリーニングの効用について触れた海外の統計について強調している

オーストリア・チロル地区での非常に成功したスクリーニングの効果例があります。6万人の男性に対し、スクリーニングを5年間無料提供した例です。この結果、チロルにおける前立腺癌による死亡率は43%までに減少したのに対し、実施しなかった他の州では死亡率は依然と同じままだったのです。ですから、PSAやDREテストを含むスクリーニングの価値は十分に納得のいくことを示しています。
前立腺癌の死亡率から見て、米国は我が国よりもずっと進んでいることは明らかです。我が国における5年生存率は42%であるのに対し、米国では85%~90%です。これは、非常に沢山の人々がPSAやDREによるスクリーニング検査を受け、治療可能な早期に発見されているからでしょう。

英国人の前立腺がんの語り

がんが広がるのを防ぐために、国を挙げて検査を行なうべきだと述べている

女性は乳がんのスクリーニング検査によって、たいへんに多くの人が救われています、だから私は男性も50歳になったら、PSA検査を国の施策として受けるようにすべきだと思います。そうすれば早期発見できて、骨などに拡がるのを食い止めることができるでしょう。下半身のことになると、気になっても医者には行こうとしないものですし、誰かに話をしようとはしないものですから。妻にだって言いたくないものですし。もしこういった検査が国を挙げて行われていれば、多くの人が早期発見できたでしょうし、人生をもっと快適にできたでしょう。

英国人の前立腺がんの語り

治療は自分で選ぶべきで、公的資金の不足のために左右されるべきことではない

PSA検査(前立腺特異抗原検査)は本当に受けるべきだと思うよ、本当にそう信じているよ。皆飛び跳ねてこう言うんだ。「前立腺がんに有効な治療なんてないのに、なんでいずれ死ぬ人間のことを悩ませるんだ」。まあ、効果的な治療法がないのは、基本的にそこにかけるお金がない、埒外だってことだよ。治療法はあるんだよ。世界最高の治療じゃないが、ちゃんとあってアメリカではできる。「それにかけるお金がない」って問題に戻ろう。けしからんことに、1999年には乳房検査には実質財源が380万ポンド投じられたのに、政府が前立腺検査に投じたのは4万7,000 ポンドなんだよ。
治療を受けるか受けないかは、患者個人の選択次第だと思うよ。雲の上の神様がそこに立って、「あなたのためになるとは思わないから、検査を受けるのはよしなさい」なんて言ってくれるわけじゃないと私は思うよ。私なら、ここに座って「わかった、私は検査を受けたくないからリスクをとるよ」と言えるね。でも(病気に関する)知識もほしいし、検査も受けられるようになりたいな。
55歳を過ぎた人はみんな年に1度の健康診断でPSA検査の要望をだして(前立腺の)状態を知り、それからアドバイスを受けるべきだと思うよ。うまくいけばその2年以内にどんな場合でも、より多くの情報がわかるだろうから。

英国人の前立腺がんの語り

政府がお金を出してくれなくても、自分たちで定期的にPSA検査を受けるべきだと他のにも伝えたい

PSAテストは、その欠点のせいだと思いますが、受けるものじゃないよって男性の方々に言いたくなるようなテストです。個人的には、政府は全く間違っているし、お金を出したくないというのがその大きな理由だと思っています。
それが申し上げたいことの1つ。
次に申し上げたいのは、もし国がPSAを受けるかどうかの選択肢を与えてくれるなら、私なら受けると答えるだろうし、まだPSAを受けたことがなくて健康体だと思っている人たちには定期的にPSAを受けるよう勧めだろうということです。私は政府の政策なんて信じていないし、間違っていると思います。結果を受け止めるのは大変だとしても、男性には知る権利があります。あなたには知る権利があるし、知るべきなのです。政府がお金を出してくれなくても、多分出さないですけれどね、それでも自分で検査を受けるべきです。

英国人の前立腺がんの語り

スクリーニングと検査は、ごく一般的な検査として行われるべきだと主張している

――男性が定期的にPSA検査を行うことについて、どのような考えをお持ちですか?

私はPSAテストは価値のある検査だと思いますよ。腫瘍の可能性があるときに、その悪性度レベルや腫瘍の進行度を推し量る目安として、PSA検査は指標にならないという反対意見が現在あることは知っていますが・・・。私は必要不可欠の検査だと思います。自分のケースから言うのであれば、PSAの数値を読み取ることから、身体の変化を知ることは重要です。だから、もし定期的に行えば、身体の機能の変化を観察したり、認識したりできるでしょう。しかし、一度検査を行ったまま、2,3年も検査しなければ、数値を比較できません。でも定期的に検査を行えば、私がそうだったように、とても重要なものになるでしょう。
前立腺がんのスクリーニング検査を一般的な検査として提供することは、とてもよいアイディアだと思います。何か悪性のものが進行していることを示す、PSAレベルの変化を見ることができるからです。担当医のところへ行き、前立腺がんが拡大しているという事実を告げられ、何もできずただ成り行きを見守るのは、あまり気持ちのよいものではありません。がんに対して何かできることはあるし、その方が賢明だと私は思います。

英国人の前立腺がんの語り

PSA試験を勧める気になれないし、自分で受けたことも後悔している。

――では、PSA検査に対するあなたの考え、実際に体験した感想を聞かせてください。

良い質問ですね。基本的には知りたくありませんでした。

――そうすると、あなたはPSA検査を受けたくなかったということですか?

はい。

――(PSA検査について)知りたくなかった?

はい、何も知らずに幸せな暮らしをしたかった。

――では、より若い世代(だいたい50代)の男性にこのPSA検査を勧めますか?

いいえ、勧めようとは思いません。

英国人の前立腺がんの語り

PSA試験を受けたことを強く後悔している

それは18ヶ月前、アメリカ、ワシントンDCで仕事をしているときでした。私は、地方の泌尿器科医を訪ねました。インポテンスの徴候があったのでバイアグラを処方してもらいたかったのです。当時この地域では、バイアグラを家庭医(GP)に処方してもらうのは難しかったからです。泌尿器科医は処方に同意してくれましたが、PSAと呼ばれるスクリーニング検査を最近受けたかどうかを私に尋ねました。私は受けたことがないし、一体何のことで、何のために行う検査なのかもわからないと伝えました。
PSA検査を受けるつもりはありませんでしたが、検査を受けることに同意しました。というのも、検査のリスクとベネフィットをよく考えたわけではなく、むしろただ単に調子を合わせただけでした。指を使った直腸検査では、特に問題はありませんでした。なので、バイアグラをもらってからは泌尿器科医へ受診したことすら忘れていました。その3週間後の夜10時頃、私のアパートへ電話があったんです。PSA値が基準値に比べ非常に高く、約9ng/mLを示していたというのです。すぐに生検をするように、と彼に言われました。ちょうどその頃は、ワシントンでの任務を終えてベネズェラに移動することが決まっていたので、生検を受けるどころではありませんでした。明らかに恐怖を感じていました。これは、何か問題があるのかもしれないという最初の暗示でした。実際は特に症状が認められないものの、突如死に直面した気分でした。つまり、それがもっとも不安な時期だった思います。本屋をはしごして、前立腺がんに関する書籍を4冊購入しました。それらを読み、治療についてぞっとしたのを覚えています。私にとって、手術はまるで屠殺みたいに思われましたので、その時期は睡眠をとることができませんでした。

英国人の前立腺がんの語り

治療によってPSAの値がどのように下がったかを述べている

――PSA検査ですか?

PSA検査です。数値は約200でした。ええ、高いです。その部分に癌性の活動が見られるということです。その後、注射が効いてきて、最初の注射の少し後か2回目の注射を受ける頃だったかもしれませんが、数値は5まで下がりました。200から5です。これを聞いたときは信じられませんでしたよ。「本当ですか?」と聞き返すと、医師は「ええ、良いニュースです。5まで下がっています」と答えました。それから、前回診察に行ったのは2~3週間前になりますが、数値はまた下がっていて、1.8でした。

――それは良かったですね。

ええ、注射は効いているんです!お腹の左側と右側に交互に注射するんですが、現在までに3回受けて、数値は1.8まで下がっています。さっきも言ったように、これを聞いたのは2~3週間前ですが、医師によるとこれはとても良い、本当に良いニュースだそうです。正常な数値が1~4ですから、1.8ということは、言うまでもなく十分にその範囲内まで下がっているわけです。

英国人の前立腺がんの語り

確かな症状があったにも拘わらず、彼の主治医がPSA試験の実施に乗り気でなかったことを述べている。

兎に角、去年の9月頃のことでした。私は最初にPSA検査についてお伺いしたのですが、主治医はその精度などに問題があり必要はないと説かれました。内科的診察を受け何も悪いところはありませんでした。そうそう、今年2、3月までは何も起こりませんでした。この頃私は痙攣や不快感があり、その上、尿の流れが少し悪くなったようようでしたが、重大なこととは思いませんでした。今もし、私にもう少し知識があれば病気と関係があると思ったでしょうし、もっと早くその事に注意できたであろうと疑念をもちました。その頃再診を受け、再びPSA検査ついて尋ねましたが、主治医は依然として尿路感染が私の不快感の原因だろうと考えておられました。しかし、主治医はPSA検査実施に同意され、最初の値は59で尿路感染もなく主治医は直ぐに2週間ルールにしたがって私を上級専門医に紹介しました。