投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の前立腺がんの語り

PSA検査 の体験とそれが信頼性の低いものであると説明されたことについて語っている

尿の流れがどうして朝は遅いのかを診るということについては、基本的には説明がありました。日中ほかの時にはそんなことはないのに、確かに朝はそうなのです。その時私を診察した外科医師は実際にこう言ったんです。「別に悪いところは見当たりませんね」 そしてこれは情緒上の問題のせいだと言いました。その前、その1年ほど前に、私は長女を亡くしていたものですから。病院から帰って確か1-2週間後のことだったと思うのですが、私はかかりつけ医の所に行きました。彼は病院の診療結果を確認してくれましたが、ただ、私のPSA値が約4マークだと指摘しました。でも前の医者と同じ事を言ったんです。

――これがそのマークですか?

ほぼ4のレベルです。あの時私にはPSAは別に意味を持っていなかったし、未経験なので、PSAの意味を説明してほしいとは頼みませんでした。でも医師は、このテストの形式は全く信頼できないし考えるだけの価値もないと言って、前立腺炎用の錠剤をくれました。

英国人の前立腺がんの語り

当時はPSA検査についてごく基本的なことしか知らなかった

――PSAテスト(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原テスト)を受ける前に,このテストが何であるのか、どのような意味をもっているのか、また、なぜテストをするのかをご存知でしたか?

テストについてはとても漠然としていて、詳細はほとんど何も知りませんでした。ただ、血液中にある物質が産生されて、それを検出することで前立腺に異常や癌を疑わせるような活動があるかどうかの判定ができることだけは知っていました。私の場合、前立腺特異抗原の検査値が13と高い結果が出ました。

――PSAテストを受ける前に、皆さんが何と言われていたかに興味があるのですが、もしPSAテストで高い検査結果が出たり、癌という診断が出たらどうするのか、医師はあなたと討議しましたか?

いいえ、その段階では、本当に関心があったのは問題の病気の進行具合がどうなのかをはっきり知ることでした。何ができるかを積極的に知ろうとはしませんでした。時と共に、こちらの知識も増えて来るんです。でも、確かにあの段階では思い出せる限り、といってもほんの少し前のことですが、診断後についての指示はありませんでした。ええ、それが癌があるのかどうかを検査するテストだということは知ってましたが、もしそうだった場合に、どこに行けば良いのかを話し合うことはありませんでした。
あとになって、PSAテストは少々曖昧なテストの一つであって、一見癌のように見えても、必ずしも癌だということにはならないことを知るわけですが・・・。

英国人の前立腺がんの語り

調子が悪いと思って受診したが、前立腺に何か問題があると思わせるような徴候はなにもなかった

――はい。では、初めに貴方が最初に具合が悪いと、どのように感じられたかお伺いしましょう。治療を受けようと思ったのはどうしてですか?

そうですね。今まで問題が無かったので、一寸いつもと違うなというものでした。体調が悪いなと感じましたが、まさか前立腺だとは思いませんでした。先生のところへ行きました。先生はすべてを調べようとして血液検査を何度かしました。PSAはほんの3.9で、ボーダーラインでした。

――貴方が具合が悪いと言ったときには、全身倦怠感ですか、それとも何か特別な症状があったんですか?

大変体が弱って倦怠感が強く、自分が自分のようではありませんでした。PSA値はほんの3.9でしたが、先生は6ヶ月後に もう一度検査をしようと言われました。6ヶ月後に行なったところ、5.4に上昇していました。そこで先生は地域病院の先生のところへ行って診てもらいますかと尋ねられました。

英国人の前立腺がんの語り

糖尿病のための血液検査の際にガンが発見された

私は体にガンがありますよと言われた時には本当に驚きました。私はずっと糖尿病を患っていましたから。

――糖尿病ですか。

そう、糖尿病です。医師は糖尿病の治療をしてくれていました。その後私にガンがあると伝えられました。前立腺ガンであると言われた時は、まったくうれしいわけありませんよ。

――それでどうなりましたか。

血液検査でガンであることがわかりました。

英国人の前立腺がんの語り

PSAの値を定期的に検査していたが、値が上がってきたので心配になった

自分では問題があるとはほんとに気づいてなかったんです。自分の健康状態は良好と言えるものでしたから。私は毎年フランスへ行っており、フランスで医師の検査を受けていました。3、4年の間に、主治医は私のPSAの値が上がっていることに気づきました。これは主治医が定期的に行っている前立腺特異抗原検査というもので、値が2か3くらいから7に上がっていました。

―― 主治医が検査を行う前に、PSA検査にはどんな意図や意味があると説明をしたか、お聞きしてもよろしいですか?

ええ。私は50歳よりもっと年上でしたが、50歳以上の人は皆、年配の人が定期的に行っているPSA検査を毎年するべきであり、フランスの男性はみな定期検査を習慣にしてる、と主治医は言っていました。

―― しかしその段階で、もしもPSAの値が非常に高く、もしガンが発見されたなら、どんな選択肢がとれたか説明がありましたか?その段階で医師は説明をしましたか?

いいえ、その段階では、私の病気がガンかどうかを討議するような問いかけはありませんでした。PSAの値を監視することと、悪性のものができているか観察することが重要でした。私はこれを通常の検査、一種のモニタリング検査だと理解していました。そしてもしPSAの値が驚くほど上がるというように、こうした状況が裏付けられたとしたら、その後で他のテストをするのだろうと思っていました。なぜなら、PSAの値が上がってきたことは、前立腺が悪性化していることを示しているのですから。

英国人の前立腺がんの語り

PSA検査を受けたことを激しく後悔している

PSA検査は、結果が出そろうまでに、実際約1ヶ月はかかりましたね。毎日顧問医師の秘書に電話をしてました。まず、『顧問医師の秘書をお願いしたいのですが』と病院の交換台へ電話をします。秘書は不在の時もあります。そしてその都度、彼女は書類の束をあちこちめくっては、私の検査結果があるかどうかを探索しなければなりません。その度に、私はまるで死の宣告を待っているみたいで、来る日も来る日も恐ろしく心細い感じで、手に汗握りながら自分は生きるのか死ぬのかと言った思いをしていました。何かほかのことを考えている人間にとっては、医師との面談でPSAの話が出たとしても理解できず、面談が終わっても、PSAが前立腺特異抗原の略称であるということも言えないし、それが前立腺がんの検査だというとも分からないだろうと思います。そのとき、医師が何か言ったことは確かに覚えているけれど、自分がインフォームド・コンセントを与えたという記憶はありません。すべての人にとって、できるだけ長く生きることが目標だと、一般には思われているみたいだけど、たまたま私の場合はそのような考え方に賛同できないのです。多くの人々にとって-とりわけ孫が成長しつつある家庭人にとっては、孫娘の結婚を見たいだろうし、ひ孫がいればその子が洗礼を受けるのを見たいと思うのは当然です。でも他の人間にとっては、QOL(クォリティー・オブ・ライフ)が大事であり、QOLとはつまり健康であること、少なくとも自分が健康であると感じることのほうが、より大事なのです。私自身は、この種の事柄をカウンセラーと話し合いたかったし、できれば、顧問医師によって訓練を受けたカウンセラーと話がしたいと思いました。私は、最初のPSA検査を受けなければ良かったと思います。しかし、これは私の責任であって、ワシントンの泌尿器科医を責めることはできません。あの時、私はもっと情報を求めることがでたでしょうし、その帰結についても考えることができたはずですが、現実にはそのようにならなかったし、あの当時はそれが重要なことだとは見えなかったのです。それは大事な選択肢として提示されなかったし、じっくりと考え抜くことができなかったのです。

英国人の前立腺がんの語り

職場の定期健診を受けた後、どのようにして問題が判明したか、そして医師からどんな指示を受けたかを語っている。

私達の職場では定期健診の制度があって2年ごとに検査してたんです。全身のチェックで50歳を超えてから受けたのがPSAという、前立腺に異常がないかを調べる検査でした。6年くらい前に検査したとき私のPSAは少し高くて6.7でした。少し高かったんですが、医者はそのくらいなら正常だと言ってそのときは気にしていませんでした。それから2年はそのままにしていました。2年後に医者に行くとPSAはまた少し上がって7.5になっていました。医者にはまた、基準値を少し超えてはいるが心配する必要はないと言われました。そこで与えられた助言は、健常な人なら2年間隔のところを、12カ月後に再検査するようにということでした。まだ彼らが予測した数値よりは低かったからです。言われた通りにすると、今度は8.いくつかまで上がったんです。それでかかりつけの医者に行って「見てください、今度は高いですよね。0から5までと言ってたけど今は8ですよ、ゆっくりだけど徐々に高くなってる。何かあるんじゃないですかね」と言いました。医者に病院を紹介されたのはこの時で、泌尿器科に行ってまたPSA検査をしたら「まだそんなに心配ないけど生検をしましょう」と言われました。

英国人の前立腺がんの語り

前立腺がんの検診を受けた結果PSAの値が高いことが分かった。

地元のかかりつけの内科医のところで前立腺がん検診に参加し、血液検査を受けたところ、1~2週間後にPSAの値が高いと知らされました。
PSAの検査を受けるにあたっては、検査内容の説明はあまり受けませんでした。私はただ気楽にその検診に参加しました。医師は採血をして、結果は約1週間以内でわかるということで、その通りでした。

――でもあなたは検査を受ける前に検査結果の意味することをもっと知らせてくれたらよかったのにと思ったのではありませんか?検査を受ける前にもっと情報が必要であったと思いますか?

泌尿器に関しては何の問題もなかったので、最初はもっと情報が必要だとは思いませんでした。これまでずっと健康でやってきました。私のような年齢になると殆どの人はそうだと思いますが、腰痛はありますけれどね。でも泌尿器には何の兆候もありませんでした。

英国人の前立腺がんの語り

前立腺がんの家族歴があるので、PSA検査を受けることを決めた。排尿や尿意に関連した症状はなかった。

私は昔からPSA(prostate specific antigen; 前立腺特異抗原)検査の支持者で、前立腺がんの家族歴があります。2人の叔父と私の父が前立腺がんでした、次に私の兄が、ここ18ヶ月のあいだ身体の調子が悪いからと、私のところに受診しにやってきました。ちょっと驚いたことに、兄は高血圧と狭心症と診断されていました。兄は食事をした後に胸が痛むことから狭心症と診断されたようでした、しかし兄の病状はだんだんと悪くなっていきました。兄は自分の健康問題で私に相談することは普通ありませんでしたが、兄の診断についてまとめたレジメがあったので、それを参考に検査、つまり標準的な検査をすべて行いました、すると兄のPSA値がとても高いことがわかりました。実は、食後の胸の痛みは胸骨と肋骨に現れた続発性転移による症状だったのです、つまり食事で腹部が拡張したときに生じていたのです、だから痛くなるのは当然のことでした。そこで私は、自分の患者には50歳を過ぎたら全員にPSA検査を受けてもらおうと考え、私身も受けました。検査結果は陽性で、値はそれほど高いわけではなく、7.2でした。それで、検査機関に自分のデータについて問い合わせ、次に経直腸的超音波(エコー)検査と生検をする放射線科医へ私自身を照会しました。