投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の前立腺がんの語り

活発なライフスタイルについて語っている

いまの私にとって特別な2つのスポーツはスクワシュとランニングですが、両方ともよくやっています。病気と診断されて以来、それは習慣になっており、或る意味ではそれと付き合っているのです。私、体調は悪くないし、体調不良と感じたくもありませんから(笑)、身体を鍛えているとは言わないまでも、集中して運動をしていますし、食事にも気をつけていて、多分、以前よりもずっと健康志向になっていますね。

英国人の前立腺がんの語り

治療後4ヵ月で、驚くほど回復したと語っている

現在私はかなり肉体的な仕事を一日中やっています。五ヶ月前だったらもう一度働こうなんて思いませんでした。術後4~5ヶ月の節目がすぎれば、手術からの回復力はすごいものです。ただ私の場合手術よりも坐骨神経痛に悩まされています。実際働けなかったのは手術のためです。もし会社勤めだったら軽い仕事ができたのでしょうが、私の場合はそうでないので園芸の仕事となると、スタミナなどの点からも少々つらいものでした。しかし5月末頃からこの仕事を始めて以来ずっと回復力も体調もすこぶる良いのです。6ヵ月仕事から離れていたことは私にはとてもよかったのだと思います。

英国人の前立腺がんの語り

ひどく疲れるようになって、それが自分のライフスタイルに影響するほどに差し迫った問題になったと語っている

自分の病気を通じて知った別の大きな問題は、大変疲れ易いことだ、特に最初の3年が過ぎてから時々大変疲れ果ててしまうことがある。やっていたことを止めてしまう、ゴルフをするのにあまりに疲れてしまうので、ゴルフを止めなければならなかった。同様にヘルスクラブへも行けなくなった。私はこの段階で考え始めた、病気が進んで自分のライフスタイルにも影響を与え始めたことで事態は悪くなってきており、私はダメになっていくんだな、と。

――貴方は未だ働いていたのですか?

これが私が働くのを止めようと決心した時でした。63歳だった。

英国人の前立腺がんの語り

最初は活動的な生活を続けることができたが、かかりつけ医(GP)が前立腺がんのことをまったく知らなくて、それが不安だったと述べている

私はこれまで大いに活動的な生活を送ってきた。ゴルフをしてきたし、週に3回はヘルスクラブに通ってトレーニングもしてきた。そして、“そうさ、この病気は私がやりたいことは何でもすることを止められないよ。なんと言ってもそんなに悪いことではないね”、と考えた。私の付き合った医師達は“このガンはゆっくり進行するだろうから、貴方はこの病気で倒れるよりは何か別のことで死ぬかもしれませんよ”と何度も強調した。 こんなことどもはすべて医師達が患者を気楽にするためにあてにしている道具だと言うことをこれまでに私は知ったし、そういうのもたいていの医師達はこのガンについてたいしてしらないからだとも分かったよ。

英国人の前立腺がんの語り

放射線療法のあとも、まったく普通に仕事を続けたと語っている

――ほかに何か、他の副作用があったり、放射線治療のあと疲れやすくなったりしましたか?

いいえ、ありませんでした。ストレスがたまっていると、疲労が伴ってくるんだと思いますが。私は大丈夫でした。何もそういうことは感じなくて、ごくごく普通に仕事を続けることができました。

英国人の前立腺がんの語り

男性はもっと問題をオープンにするよう努めるべきだと考えている

他人に悩みを打ち明けるのが気恥ずかしいという男性が多いと思います。自分は男らしい男だと思っていて、男同士でいる時に「なあ、実は悩みがあってな」と、こう言ってはなんですが、得意げに話すなんてしません。そういうのが男らしさに反するから(ガンや悩みのことなんて)知ろうとしないのだと思います。愚痴をこぼさずに日々やっていくんです。でも女性は違います。我々男性も女性を見習って医者にかかるようにすれば、男性の病気に関する限り、それが最高の療法、少なくとも最適な治療への第一歩になるでしょう。

英国人の前立腺がんの語り

何人かから、ひどく否定的なことや、思慮のないことを言われたと語っている

ガンに関する知識が欠けていると思います。誰かがガンになると、こっちの身にもふりかかってくるとでも思うみたいです。ガン患者に触れるとうつされるぞとでもいう感じです。道路の向こう側にいたら、向こうから大声で呼ぶようなことはあっても、こちらに私をつかまえにくることはありません。

――そう思うようなことが実際あったのですか?

とても仲の良かった友人が二人いました。私たちは月に一度は4人で出かけていたものです。私の車に彼らを乗せて出かけ、パブで食事をしたものでした。でも、私がガンだと知ったとたん、「いついつの晩に食事にでも行こうか、じゃ、あのホテルで待ち合わせよう」みたいになってしまって、誰が本当の親友か、思い知らされました。

――お友達は一緒の車に乗りたくなかったと?

ええ。そうなんです。

――それはいやな思いをされたでしょうね?

ひどいもんです。まあ、さっき言ったように、誰が友人で誰がそうでないかはっきりしたりしますが、恐れずにガンの話をすることです。ガンであることを知られるのなら、他の人の口からではなく自分から話をした方がいい。というのも、実は、地元の女性経営者に会った時、彼女は私が余命3ヶ月だと思いこんでいたのです。これは本当の話なんですが、最初のうちガンのことを2人の人に話しただけだったのに、村中に「かわいそうに、あと3ヶ月の命だって」という噂が広まっていて、その彼女とは30年来の知り合いだったものですから、会った時に私も悲しいわと打ち明けてきたわけです。ですが、われわれガン患者が求めているのは同情ではなく正しい理解なのです。

英国人の前立腺がんの語り

友人たちに自分の気持ちをわかってもらえなかったと述べている

前立腺ガンについてあなたが話す事ができる友人はいますか。
ああ友人ね・・・もしビールでも一杯やる時に話しても、彼らは聞き流して、嫌らしい笑い話にするだけだね。

――彼らは何て言うのですか。

嫌らしい冗談事にしてしまう。

――そうなのですか。彼らがそういう態度をとるのはどうしてだと思いますか。

それが男というものだろ。

――男だから・・ですか。これが自分に取ってとても重要なことだと説明できたら、彼らがどんな反応をするか、私には興味があるのですが。

そうだね、「あんたそれでどうなるの?」と聞くかな。

――友人が「あんたそれでどうなるの?」と言うのですか。ひどいな。どのような気持ちにさせられますか。彼らは冗談ごとにするわけでしょう。

そういうことだね。

英国人の前立腺がんの語り

がんの話題はタブー視されているので、そのことは話しづらい気がすると言っている

がんと診断されたら、それが体のどの部分であれ、人が普通に話題にするかどうか分かりません。がんは怖ろしいものであり、一度そんな特殊な世界に入ると人は黙り込んでしまうようだからです。がんの話をすると、人はうまく対応しないで口を閉ざし、話さなくなります。前立腺がんについてはもっと神経質になるように思います。それは個人的に立ち入った部分で、普通は話したくないところだからです。それで前立腺がんと診断された時、私は初めて話すのが大変難しいと分かりました。それは未だタブー視しされている問題の一つであり、話題としません。私は将来いろいろなタイプのがんについて研究がすすみ、今や沢山の会合や場所で表向きになり、普通に語られ、もっと気楽に治療に向かえるようにと願っています。

英国人の前立腺がんの語り

がんだと打ち明けても、その後特別扱いされることはなかったと語っている

私は、私が前立腺がんであることを隠してはいません。秘密にしなければ周りの人間はみな付き合いやすくなります。というのも、うわさが広まった時、周りの人間は過度の注意を払うことになります。私は前立腺がんについて隠し事はしないし、したくもありません。周りの人間は、今までと同様に接してくれます。ただ、社会の様々な場面で、「重いものを運ぶ作業は遠慮します」と言っています。したくないわけではないのですが、一人で無理をすると必ず負担がかかるからです。アナディン(鎮痛薬)でも痛みを取り除くのに数日かかります。でも、それほど深刻ではないのです。本当に深刻ではありません。