投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の前立腺がんの語り

普通の健康な人のようにみえると、驚いていた人たちがいたと語っている

――それで、人々の反応はどうでしたか?

そうですね。みんなとても驚いていましたよ。私が元気で、以前いつもしていたことを何でもやっていたからね。そういえば私はボウリングをするのですが、ある日ローンボウリングで試合に出た時、思わずある人に自分が受けた手術の事を話してしまったのでしけど、彼は信じられなかったみたいですよ(笑)。「そんなはずないよ。君は普通に見えるよ」って言っていました。そりゃあ私は見た感じは普通ですよ。

――人々がそのような反応をして、あなたはどんな感じがしましたか?

ちょっと楽しかったですね。

――では、家族との関係は何か変わりましたか?

いいえ、いいえ、全く何も変わっていませんよ。

英国人の前立腺がんの語り

まだ後ろ向きの人たちもいるが、他の人々からの支援は非常にすばらしいと語っている

そういう中には時々、おかしな態度の人もいますよね。中には、あなたの癌の具合はどうかというつもりで「どうなんだね?」と言う人もいます。また「元気そうじゃないか」とか、時には「おお、まだ生きてるな」なんてびっくりするようなことを言う奴もいる(笑)。これは少々問題のある態度だと思いますよね。ですから人の反応はいろいろです。私の仲間に熱狂的なジャズファンがいるんですが、彼は「僕の治療法はこれさ。これでもう15年なんだ」と言ってくれたんです。これは明るい報せでしたね。自分の病気のことを話すと、他にも同じ経験をしてきた人がいることがわかります。そして、彼らの支えは素晴らしいものです。

英国人の前立腺がんの語り

家族からの支援と同時に、親友からもすばらしい支援を受けたと語っている

家族、親友にも考えられないほど支援してもらい、本当に助かりました。入院したとき、家に残された家族のこと:妻や両親や子供達のことが心配になりました。彼等を支援してくれる人達にとても感謝しました。もし、手術がうまく行かなかった場合も、多くの人に支えられると思って安心しました。

――友人達から、それと?

友人も家族もです。本当にいい友人達が来て助けてくれたことに感謝しています。

英国人の前立腺がんの語り

パートナーとのきずなが、いっそう強まったと思う

病気が分かってから驚くほど親密になりました。実は、私ががんになった時私たちは結婚していませんでした。私たちは約12年も一緒に暮らしていたのですが。それで、正式に結構することに決めて、今は夫婦です・・・

――幸せな展開になったのですね。

そうなんです。そういうことになったのです。私たちはとても親密でしたがお陰でさらに一線を越えたのです。

英国人の前立腺がんの語り

自分より家族のほうがつらいと思っている

私の家族や、周りの人々の方が、私よりも辛かったのではないかと思います。私はこの出来事の渦中にいたし、自分に起こったことでもあり、全ての出来事についてとても楽天的だったと思います。その時の状況を言うならば、ガンは早期に発見されたし、治療をして、回復する機会を持てたので、私はある点では救われたという気持ちだったと思います。しかし、私の家族はとても苦しんだと思います。私は自分の特別な愚痴を誰かに話すような人間ではなかったからです。私は独りで苦しみ、誰にも病気のことを話しませんでした。このことはとても家族にとって辛いことだったと思います。

英国人の前立腺がんの語り

他の人たちから心配の声が殺到して、どんなにショックをうけたかを語っている

妻に関して言えば、非常に心配性でした。本当に心配性で、彼女だけでなく彼女の家族、私の家族も心配性でした。だから、知ること、話しをすることそして自分との考えの違いを理解することはとても重要となります。しかし一番ショックだったのは、妻の動揺でした。まったく予期していませんでしたから。結果的に周りの方々から心配され、場合によっては度を越すこともありましたが、そのことについて話しをする分にはまったく問題ありません。

英国人の前立腺がんの語り

妻がどんなに前向きだったかを語っている

――それでは、そのときご家族にはどんな影響がありましたか

そうですね、私はかなり秘密にしていたので妻だけが知っていて、彼女はとてもとても前向きで、というのは彼女も手術(乳がんの手術をうけている)を乗り越えているので、それで彼女は本当に前向きで、私は違ったんです、私はただいつも通り仕事を続けていましたが、みんなは私がそういう性格だから普通だったと思っていたかもしれませんが、内心は大変動揺していたんです。

英国人の前立腺がんの語り

妻と子供たちに対する影響を語っている

妻は私にとって常にすばらしい存在であり、ずっと私の右腕となってくれている最も頼りになる人です。36年もの間連れ添っているのですから、私と同様にすごく心配してくれていることは言うまでもありません。お互い19歳の時に結婚し、その後ずっと私達は、近頃の家庭ではなかなか見られないような幸せな結婚生活を送って来ました。
もちろん息子と娘にも、がんを告知されたことを話しましたが、彼らはまだはっきりと理解できなかったと思います。胃が少し悪いのだ位にしか考えていなかったでしょう。子供達も、もう30代になっていますが、その意味するところは本当には分かっていなかったと思うのです。父親は、何十年もの間具合の悪いところはほとんど無かったのですから、これぐらいのことを克服できないはずはないと思っているのでしょうね。

英国人の前立腺がんの語り

家族は、最初はショックを受けたのだが、今は前よりずっと親身に世話をしてくれている

――このことは家族関係に何かの影響をおよぼしましたか?

いいえ勿論ありません。ただし、そうですね私のことをとても心配するようになりました。特に若い者達が私の世話をやきすぎるようになり、今まではそのままにさせてきたけれど、来年からは芝刈りとか自分の仕事をやるようにしますよ。勿論素晴らしい家族です。 ただこの治療が始まってだれしも父親が死ぬなどと思っていなかったのに怖くなって皆ちょっとうるさくなったんでしょう。

英国人の前立腺がんの語り

弟は、その診断にひどく困惑していたようだった

実の弟は私がガンと診断されたことに戸惑っていて、ずっと電話もかけてきませんでした。ガンと診断されてから14ヶ月になりますが、そのことについて弟と話をしたのはほんの先週のことです。その時でさえ、私の顔をまともに見ようとはしませんでした。その話になると視線をあわせようとしないのです。これはガンに関する知識のないせいだと思います。