診断時:66歳
インタビュー時:72歳

1997年に前立腺癌と診断され根治的前立腺全摘除術を受けた。 5年後、PSA値 が再び上昇し始めたため、2003年に放射線治療やホルモン治療を受けた。

語りの内容

――次に、PSA検査についてどう考えているか、何かお話ししたいことはありますか?

そうですね、PSA検査についてはかなり政治的な課題だと私は考えています、そして政治的な課題となっている理由についても理解しています。私情をはさまずにこの問題をみてみると、確かにPSA検査は精度の高い検査であると言えませんが、医療権威者集団や患者たちが盲目的に信頼し使っている他のスクリーニング検査や診断検査の多くと比べれば精度は高いです。
PSA検査についての、医療専門職へと、医療専門職から一般の人たちへの説明が悪かったことが大きな問題と考えています。PSA検査は、子宮頚管の細胞診やマンモグラフィーよりも精度の高い診断検査です、ここで唯一つ標準的な診断検査として結腸鏡検査を挙げますが、この唯一の診断検査の結腸鏡検査の方がPSA検査よりも精度は高いです、ただしとても優秀な直腸専門の外科医か内科医に検査してもらえばの話しですが。PSA検査の欠点は、検査結果が偽陽性となることがよくあることです。この欠点は誇張されすぎてきました。検査結果が高くもなく低くもない中間の値となった患者は落ち込む必要はありません、10日かそこいら待って再検査をすれば、検査結果が本当に偽陽性であるか満足のいく結果であるのかがわかります。結果を待つ患者にとってはつらいことですが、衝撃的なことではありません。PSA検査を国民がより早く受けられるような方法を見つけるべきです。実施をあきらめてはいけません。

――PSA検査を実施しない主な理由は、財政的な理由だと考えていますか?

主な理由は、財政的な理由だと考えています、というのもPSA検査自体は費用がほとんどかからないのですが検査結果が陽性となった人へ引き続き行う二次検査の費用が高いのです。二次検査は、検査材料の実価格、放射線科医の時給、検査機関の時間使用料が高価で、しかも放射線科医の診察台を30分ほども塞いでしまいます。その上もし偽陽性の結果がすべて偽陽性ではなく本当に陽性であれば、医療現場にかかる時間的な負担は実に相当なものになるでしょう。泌尿器科クリニックや予約リストは満杯になるでしょう。世間に正直に打ち明ける代りに、PSA検査の費用を負担する方法を探す必要があるのに検査の負担ができないと言う代りに、政府は医師に、医師は患者に、この検査は精度の低い検査だと言っているのです。精度の低い検査では偽陰性の結果がものすごく多く得られますが、PSA検査では、政府が支持し承認している他のあらゆる診断検査よりも偽陰性の結果は少ないです。お金の問題なのです、国民の男性が死ぬのを放っておいているのです、なぜなら政府は国民の男性が死ぬのを放っておくことで財政を節約しているのです。

私は: です。

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