語りの内容
それは18ヶ月前、アメリカ、ワシントンDCで仕事をしているときでした。私は、地方の泌尿器科医を訪ねました。インポテンスの徴候があったのでバイアグラを処方してもらいたかったのです。当時この地域では、バイアグラを家庭医(GP)に処方してもらうのは難しかったからです。泌尿器科医は処方に同意してくれましたが、PSAと呼ばれるスクリーニング検査を最近受けたかどうかを私に尋ねました。私は受けたことがないし、一体何のことで、何のために行う検査なのかもわからないと伝えました。
PSA検査を受けるつもりはありませんでしたが、検査を受けることに同意しました。というのも、検査のリスクとベネフィットをよく考えたわけではなく、むしろただ単に調子を合わせただけでした。指を使った直腸検査では、特に問題はありませんでした。なので、バイアグラをもらってからは泌尿器科医へ受診したことすら忘れていました。その3週間後の夜10時頃、私のアパートへ電話があったんです。PSA値が基準値に比べ非常に高く、約9ng/mLを示していたというのです。すぐに生検をするように、と彼に言われました。ちょうどその頃は、ワシントンでの任務を終えてベネズェラに移動することが決まっていたので、生検を受けるどころではありませんでした。明らかに恐怖を感じていました。これは、何か問題があるのかもしれないという最初の暗示でした。実際は特に症状が認められないものの、突如死に直面した気分でした。つまり、それがもっとも不安な時期だった思います。本屋をはしごして、前立腺がんに関する書籍を4冊購入しました。それらを読み、治療についてぞっとしたのを覚えています。私にとって、手術はまるで屠殺みたいに思われましたので、その時期は睡眠をとることができませんでした。