語りの内容
放射線療法はしたくなかったんです。興味がありませんでした。私の個人的見解では、放射線療法は治療するというよりははるかに破壊的だと思ったんです。私は前立腺切除を勧められました。いや、そうじゃなかった。すみません。前立腺切除をするには歳をとりすぎていたんだ。私がもし70歳より若かったら前立腺切除をすると言われたんだが、私は71歳でしたからね。私が選べるのなら前立腺切除を選んだんだがね。だけど結局、デポ投与をしてもらうことにしました。だから、ある新聞記事を読むことがなかったら、私はデポ投与を受けていたと思います。その記事の内容というのは、X町のある専門医が前立腺に対する凍結手術を始めるというものでした。
凍結手術は、体のどの部分でも華氏[零下]155度以下に凍らせてしまうもので、プローブ(探針)の置かれた部分を何であろうと凍らせて破壊するものです。探針は前立腺の癌の周辺に入れられます。すると癌細胞が凍り、体内で破壊され、消滅します。体の極めて重要な部分、つまり肛門と尿路、を保護するために温める装置が挿入されて、それらは注意深く監視されます。6時間に及ぶ手術でしたが痛みは全くなかったし、後遺症もありませんでした。手術から3日後、退院して家に帰ることができました。
――カテーテルは?
カテーテルは3週間近くつけていました。1日に8パイント(1パイント=約500cc)の水を飲まなければならなかったけれど、それは苦痛ではありませんでした。それにコーヒーと紅茶も飲んでいたくらい。カテーテルは便利なものでしたよ。外出中にトイレを探さなくていいんだもの。庭にいるときでさえもね。それから睡眠は全く問題ありませんでしたよ。他に質問は?
――凍結手術を受けるとき、手術の前夜から病院に行きましたか?
いいえ、朝食をとらずに朝の8時に病院に行きました。それから2時に手術が始まって終わったのは午後8時でした。私は暖房毛布とアルミ毛布に包まれました。ものすごく冷たかったけれど、それもほんの30分ほどだったと思います。排尿用の恥骨上カテーテルが腹部にセットされ、また膀胱を洗浄するための洗浄カテーテルが陰茎に差し込まれました。睾丸のすぐ後ろに6か所も探針が挿入されていました。それを除けば、これといって何も感じませんでした。恥骨上カテーテル以外は全て2日ほどで取り外され、私はいつ退院してもいい感じでした。カテーテルは2日ほどで陰茎から出されましたが、尿を通すための恥骨上カテーテルだけはつけたままでした。
――その尿を通すためのカテーテルは、腹部から挿入していたんですよね
はい、そうです。
――分かりました。
さっき言ったように、便利なものでしたよ。 新しいバッグに毎日付け換えればいいだけだからね。私はたくさん水分をとっていたから夜にはずっと大きなバッグをつけました。夜中にトイレに起きなくてもいいから便利でしたよ[笑い]。だから夜はぐっすり眠れました。火曜日に入院したんですが、金曜日には退院して自由に動き回ることができたし、ほとんどのことができました。専門医は「何でもできることはやってください。できると思ったことはやってみてください。」と言いました。3週間は車を運転することができなかったんですけど、それ以外ほとんど全てのことができました。庭仕事もしたし、土を掘ったりさえしました。手術自体は全く痛くなかったし不快なものでもありませんでした。
凍結手術を受けてから、少年に戻ったような感じでした。少年のように[勢いよく]小便を出せたし、トイレに通い詰める必要もない。普段は夜中に一度、夕方に飲んだものを出すために起きてトイレにいきます。通常トイレに行く間隔は、だいたい5時間から6時間でしたね。
――手術は成功だったということですか?
そうですね。専門医からは、「君はもう良くなっているけど、まだ血液検査をしなければならない。」と言われました。手術前に受けたPSAテストの結果は13だったのですが、手術後に最初に受けたPSAテストの結果は0.3に下がっていました。最後に受けたのは4か月前ですが、結果は0.9でした。6月に専門医顧問医に会いに行く前にまたテストを受けたので、PSA値がどうなっているのか結果が楽しみです。
――現在調子はどうですか?
まったく申し分ないね。できないことなんて何もないよ。50ポンドのジャガイモの袋を問題なく持ち上げられるくらいだよ。土を掘ったりもできるし、何かできないことがあるとしたらそれは歳のせいだね[笑い]。凍結手術はお勧めできますよ。