語りの内容
外科の先生は私をすわらせて、いろいろな治療選択肢を教えてくれました。1つは放射線療法ですが、それがどこでできるのか知らないので駄目だと先生は言い、私も彼に同意しました。私は「それでは、どんな方法を考えているのですか」と尋ねました。
――他にはどんな方法があったのですか?
そうですね、方法としては限られていて、・・・・・
――それは精巣摘除術のことですね。
はい、実際のところ方法は3つの選択があり、1つは放射線療法、その他に2種類の手術法があり、1つは私が受けた手術で、両側の精巣切除術です。3つ目の手術の名前は思い出せませんが、それは実際もっと大規模な手術でした。
――なるほど。
そこで、医師は私に全てを説明してくれて、私が決定しました。「では、どれがいいと思いますか?」と私が尋ねたところ、「これがいいでしょう」と言われ、私も同意して、11月29日に手術を受けました。
――つまり、あなたは実際に癌だと確信していなかったけれど手術を受けた訳ですね?
そうです、私はその助言を受け入れたのです。
――主治医があなたは多分癌だと思うといったからですか?
はい、先生は私が多分癌だと考えていて、私はそれに反論できませんでしたから。
――セカンドオピニオンを求めようとは思わなかったのですか?
いいえ、先生は有名な外科医で、個人的に診察してくれていたのです。しかも何年か前にヘルニアの手術をしてもらったこともあるのです。
――よろしければ手術中にどのようなことが起こったのかご説明いただけますか?他の人たちのために、彼らも知りたいと思っているでしょうから。もちろんその人たちにはあなたが誰かはわかりませんので。
その手術は運が悪かったのだと思います。麻酔は完璧でしたし、先生は私の睾丸に手術を施しました。そしてその翌日、もう1度手術をしなければなりませんでした。というのは、手術したところがものすごく腫れていて、内部に血の塊ができていたからです。先生はご自分の口から、もう1度切開しなければならないといいました。
――おやまあ、本当は最初の手術の時に何があったのですか?
先生が何を切除したのかよくわかりませんが、先生はわたしの睾丸のどこかを切ったのです。
――先生はなぜそうしたのか説明してくれましたか?
はい、先生は切除した理由を説明してくれましたし、私に必要な性生活が終わったことも説明してくれましたが、私はもう75、76歳ですし、妻は半身不随ですのでそのことは全く問題ではありません。
――でも、切除が有益だと考えた理由についても先生は説明してくれましたか?
はい、先生は自分がしようとしたこと、何かの流れを止めようとしたと説明してくれました。先生が何を言ったか思い出せませんが、そうすることでPSA値の上昇が止まると言いました。
――よくわかりました。それであなたはどのくらいの期間入院していたのですか?
そうですね、3日間の入院の予定でしたが、先生が別の手術をしたので、私は5日間入院しました。
――結構長いですね。
そうですね。
――入院中は快適でしたか、それとも心地よくなかったですか?
いいえ、とても快適で何の問題もありませんでした。私はいつもと同じように毎日を過ごし、洗物をしたりしていました。
ですから、私にとっての主要な問題は、PSA値は高かったけれど、そもそも自分に癌はあったのかどうか確信が持てないということなんです。私は生検を2回受け、いずれも左右両側から2カ所ずつ、計4カ所の標本を採取しました。全身の骨スキャン検査を2回も受けました。私はPSAについて疑問に思っているので、それがどの程度信頼できるのかを知りたいと思っているだけです。
――これまでPSAについてどんなことを知っていたのですか、またその情報はどこで知ったのですか?
タイムズ紙に執筆している先生が書かれたもので、とてもすばらしい記事でした。
――Stuttaford先生のことですか?
そうです。その後デイリーメール紙にも、前立腺とは何か、政府は何をしようとしているのかについての記事がありましたが、それは『前立腺癌かどうかを調べる検査としては、PSAは信頼できない』と言っているようなものでした。また、癌でなくともPSA値が高くなることはあると言っています。でも、あなたならどうしますか、助言に従うでしょう? 前にも言ったように、私はちゃんと先生に尋ねたのです。「それでは、どんな方法を予定されているのですか?」と尋ねたのですから。そういうことなんです。
――それでは、あなたが今でもPSAについて確信が持てないのなら、手術を受けたことについては、今どう思っているのですか?
その時点では正しい判断だったと思います。というのは、先生方は「PSA値が380に上がっていて、しかもその速度が非常に早いので、何かまずいことが起きていますね」と言われたし、私は手術を先延ばしにしたくなかったのです。私の友人に起こったこと、彼が1年間にわたって悪化していったことを見ていたので、そのようなことが私に起こって欲しくなかったのです。彼に起こったことを見たから、私は納得したのだと思います。