診断時:67歳
インタビュー時:68歳

1999年に診断を受け、同年TURP、2000年には外照射と短期ホルモン療法を受けている

語りの内容

生検の結果が返ってきて上級専門医(コンサルタント)から悪性の腫瘍でほとんどすべての前立腺に及んでいると聞かされました。 心の中で思いましたね、10年も前からあってすべての前立腺に及んでいてこれからどうなるんだ? そして先生にそれを聞きました。 先生の答えは「がんが前立腺の外にまで及んでいるかどうかを調べます。」でした。
それでまた別の一連のスキャン写真などをとって調べました。アイソトープ骨スキャン写真(骨シンチ)をとり、骨にはなにもないことがわかりました。その時点ではまだ組織までいっているという確定的なスキャンはとれなかったのでまだ手術を考えていました。
私は前立腺を切り取る手術をするのだと受け取っていました。それで書類にサインをし、そうそう、それから1ケ月程待って12月13日に入院しました。 麻酔医がやってきてちょっと話しそれから外科医だかだれだか担当医師がやってきてちょっと話し、手術が始まりました。 手術が終わって外科医が来た時、それが実際に手術を担当した医師かどうかわからなかったけれども言いました。「驚きました。もっと大きな手術だと思っていたんで」 週末には退院とかいわれたのでね、でもまだ火曜日かそこらじゃないですか。そしたら彼が言うには「そんな大手術ではありません。すべてうまくいってよかった」というのです。どういうことだったのか分からないので、結局私は「それじゃ、これですべて済んだことになるんですね?」みたいなことを言い、「少なくとも切り取ってしまったのだから、この種の問題はもう起きないのですね」と言ったのです。ところが彼は「いや前立腺には無関係です」と言うのです。「どういう意味ですか?」彼の返事は「今回したのは腎臓にかかる圧迫を取り除いただけです」。「私は前立腺がんを取り除く手術を受けにきたんですよ」というと、それに対して彼は「いやちがいます。それを依頼されてはいません。前立腺を取り除いてはいません。今回したのは腎臓への圧迫を取り除く手術をしました。それがあなたの先生が最初から心配していたことです」と言ったのです。
そして彼はこう続けました。「この手術は前立腺がんを治すものではないのです」。「でもそのために私は入院したのですよ。手術に同意したのはそのためだけです。家族の者に言われました。がんにかかっているのよ。いつまでもそこだけにとどまらないものだし」。 彼の答えは「それは間違ったことを伝えられたか誤解を生んでしまったかのどちらかですが、こちらには決してそのつもりはありませんでした。」「それはちょっとばかりがっかりですね。」と私は言うしかありませんでした。 

私は: です。

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