※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。

診断時:69歳
インタビュー時:80歳(2008年9月)

東北地方在住で、妻と2人暮らし。自営業を営む傍ら、様々な地域活動の役を担い、多忙な毎日を過ごしていた。1999年、偶然目にしたがん検診ポスターに触発されて検査を受け、がんと判明。情報を集め、知人の医師から聞いた放射線療法(高線量率組織内照射)を受けようと渡米を決意するが、同じ治療が国内で受けられることを新聞で知って、自ら申し入れて治療を受けた。それから11年、現在はホルモン療法で経過を見ている。

語りの内容

残念ながら、その検査(検診)を受けた病院では、私に前立腺がんとは言わなかったんです。というのはね、当時、うーん今からちょうど11年前ですね。時代背景からいって、当時は医者が前立腺がんであるということを病理学的にはっきり示されたから、僕にそれを言うべきなんですよね。それを言わないんですよ。言わなかった、ということは、当時の世間情勢からいうと、お医者さんが患者にがんの告知をするというのは、非常に難しい状況があったということです。
通常は、組織検査までやったわけですから、1週間後に結果が出る。だから「1週間後においでください」。で、結果を聞きに伺った。そこで結果が、良し悪しを説明するのがお医者さんの責任でございましょう。その「優秀な信頼感のある先生だよ」というふうに言われて、紹介された病院の先生が検査の結果が分かっていながら、その紹介状を持たされたということは、普通じゃないなと。

――何にも説明がないまま。

前立腺がんに関しては、がんという説明はありません。だから、私はその晩、とっても気持ちが落ち着かないで、不安で。普通だったら、何でもなければ「異常ありませんでした」と言うはずなんですよ。それで、それを言わないで、「A病院へ行ってくれ」という紹介状を渡されたわけですよ。そういうことって常識だったらあり得ないじゃないですか。だから私はもう疑いました。それで、紹介をしてくだすった、私たちのかかりつけ医、先生のところへ行って、「先生。先生の紹介された病院へ行って検査を受けましたよ」と。「生検、血液検査、レントゲン検査。で、1週間後に結果を伺いに行ったら、紹介状を渡された」と。で、「私が2度も3度も『結果はいかがだったんでしょうか』と質問しても答えてくださらない」と。「異常なければ異常ないという説明があるはずだ」と。「異常ないという説明は皆無だった」と。「先生、これ、おかしいですよね」と、何遍もそのかかりつけ医に聞きました。で、「ちょっと待ってね」と言うんで、僕といるところから席を外して、先生が聞いてくれたわけです。「私との関係だから、はっきり申し上げるけれど、結果はがんです」と。「やっぱりね」と。

私は: です。

(アンケート結果の扱いについては個人情報の取り扱いについてをご覧ください。)

認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

ご支援
ご協力ください

モジュール一覧