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診断時:75歳
インタビュー時:77歳(2007年12月)
関東地方在住、妻と子どもの3人暮らし。仕事(自営業)を辞めて2005年に前立腺がんの診断を受け、同年、前立腺全摘除術を受けた。その半年後PSA値が上昇し、2006年に放射線療法を受けた。治療後、再度PSA値が少しずつ上がり始めたので、現在はホルモン療法で経過を見ている。地域のボランティア活動に携わり、そこでの出会いからたくさんのパワーをもらっている。
語りの内容
まあ、一番、まあこれで嫌なことっていうと、やはりこう尿漏れっていうのがね、一番、やはりいつも清潔にしていなくてはいけないんですけど。もう、やはり尿漏れが非常に訓練しててやったんですけど、尿の漏れがやはり出終わった後に、ちょうど尿が、あのー、滴が垂れるようにちょっと出るんですよね*1。それが一番、自分が気になることなんですけどね。それが、まあどの程度のあれか、私も「尿漏れがある」ということだけを聞いてましたんですけど、それが実際自分がそのことに関して自分がなってみて、やはりそれが先生や、何かその本を読んで書いてあるのを読んでみたりなんかしたよりも、やはりまあいろいろ個人差があると思うんですけどね。うん。やっぱりそれがすごーく、気になる……ことが多いですね、やはりねえ。ええ。まあそんなことなんですけどね。
――うーん。実際そのまあ説明を受けてたけども、その尿漏れに関しては、その説明は受けていたんだけども、その実際にやってみるとなると違った。個人差はあるんだろうけども、その本で見るのと説明をただ受けたときのと、実際にそうなるのでは、やっぱりだいぶ違って…
そうですね。その尿漏れというのはですね、どうしてもですね、やはり手術をして膀胱と尿管(尿道)を一緒につないでしまいましたもんですから、その尿漏れっていうのは、その手術に関してはどうしても切っても切れない、まあ、そういうふうな、現象が出てしまうということは先生から言われてましたんですけど。それは、やっぱし、最初、まあ尿漏れってそんな大して、そんなに強く考えてなかったんですけど、実際に自分がなってみると、やはり非常にやっぱし、こう気分的にね、あのやっぱり良くないし、もうやはり、それさえなければ本当に、一番いいんですけど、やはり 。
*1 このような症状は、「排尿後尿滴下」と言い、尿道の中に尿が残っていることが原因で起こります。排尿後尿滴下に対しては、排尿後尿道をしごく(屈曲部を根本側から指で押し出すようになぞる)とよいと言われています。
インタビュー01
- 触診で「石のように硬いものが手に触りましたから、完全にがんですよ」とはっきり言われ、本当に驚いた
- 尿失禁が起こる可能性について聞いたけれど、がんを抱えたままより摘出したほうがいいと思ったので手術を選択した
- 手術して前立腺を取り除いたら、がんはなくなるし、PSA値も上がることはないと思っていたので値がなぜ上がるのか理解できなかった
- 尿漏れになることは医師から聞いていたし、本でも読んでいたが、実際なってみたら思った以上に気になるものだった
- 治療の順序としては手術後、放射線療法、そのあとにホルモン療法というのが一般的だと言われ、今は薬を飲みながら定期的にPSAを測っている
- 全摘術後に放射線治療(従来法)を受けた。膀胱を膨らませるため、水分を取る必要があったが、治療は痛くも痒くもなかった。定期券で通院した
- 放射線治療(二次元照射)を開始して10日くらいで便が硬くなり、そのうち排便に痛みが伴うようになった。薬で痛みを和らげた