※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
診断時:60歳
インタビュー時:64歳(2008年8月)
九州地方在住で、一人暮らし。2005年に診断を受け、翌年開腹による前立腺全摘除術(勃起神経温存)を受けた。術後の後遺症は3年経った今は、尿漏れがごくたまに起こる程度。現在は外来で半年に1回検査。TVで見たがん予防の食事療法を取り入れて、検査結果で効果を検証している。地域活動やアルバイトなどをしながら、気の合う仲間との時間を大切に過ごしている。もともと身体に不調を感じると、すぐに病院に行く方である。
語りの内容
それと、あと、この手術は、前立腺の中に、尿道が通ってるから、それを切り落とすじゃないですか。だけえ、それであと、それと、尿…(尿道)と、膀胱をつなぐんだけど、そこがね、結局、つないだ後がどうしても縮まって、おしっこの出が悪くなるんよ。それで、結局、最終…6ミリ? 本当は8ミリ言うたんかな。7ミリがあって、8ミリまであるんかな。もう「6ミリでもう痛いけえ、やめてくれ」言うたけど。ステンレスの、棒をね、あのー、そこの傷んところ通して、そして、20~30分置いといて、慣らすのね(尿道ブジー*1)。それを毎週行ったんかな。4回か5回。
入院しとるときはもう全く出なくなって、そしてすうって出る。もう膀胱に満タンになるやない? で、もう痛いの、痛みが出るから、看護婦さん呼んで、ビニール(の管)を通してもろて。ほして、ステンレスの何とかいうたな、あれを自分で、買(こ)うてからね、「自分でしてもいいよ」って言われたけど、それで、ビニールホースを買うてきてね、きれいに削ってね、それで、何…。自分でね、使用してみよう思てトライしたけど、もうものの5分にも入ったら、もう痛くて、それできなかった(笑)。
だから、やっぱり病院行って、痛いけど、うーん、痛さが…。最初の1~2回はもう却って出血もひどかったしね、どうしても、縫うたところやけえ、ね、開くから血が出て大変だったけど。後のほうでは慣れてきたけど、もうだんだん、細いのからだんだん大きいのに変えるんやけど、もう「大きいの、もういい」言うて(笑)。だけえ、細いまんま。だけえ、7ミリとかいうたら、本当、鉛筆の、赤鉛筆やら丸い鉛筆? あのぐらいのが通すからね。まあ、痛いよ。痛いっちゅうか、さっきと…。切り傷とかの痛みやないで、それこそ、あのー、がん取るとき、調べるときみたいに、何ともいえんね。
腸カメ入れたことある? 腸、大腸に。そんときに、やっぱり、腸の中をカメラが、どうしても角に当たると、まあ、力入れてぐにゅと曲げないけんときの、あの痛さ。そんな感じ。それぐらいかな。
*1尿道ブジ―とは、尿道狭窄で、尿の排出が障害される時に行われる処置。金属の細い棒を尿道に入れ、順々に太いものに差し替えて、しばらく置き、尿道を広げる方法。
インタビュー20
- ふらつきが続いていたために受診した内科で、検査の際についでにPSA検査も勧められたので受けた
- 手術で膀胱と尿道を繋いだところが狭くなり(尿道狭窄)、尿が出なくなってしまった。狭くなった尿道を広げる処置がつらかった
- できるけどしないのとできないのでは精神的に違うと思い、勃起神経温存を選んだ。術後すぐは多少よかったが、今は役に立たず、諦めていても、やはりさびしい
- たまたま見たテレビ番組で、がん予防の食事として玉ねぎの味噌汁が紹介されていたので、自分を実験台にして効果を試している
- 手術を受けたが、高額療養費制度を利用したので、何とかなった。その場合、月はじめに入院するようにして、1ヶ月で退院できると安く上がると思う