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診断時:60歳
インタビュー時:64歳(2008年8月)
九州地方在住で、一人暮らし。2005年に診断を受け、翌年開腹による前立腺全摘除術(勃起神経温存)を受けた。術後の後遺症は3年経った今は、尿漏れがごくたまに起こる程度。現在は外来で半年に1回検査。TVで見たがん予防の食事療法を取り入れて、検査結果で効果を検証している。地域活動やアルバイトなどをしながら、気の合う仲間との時間を大切に過ごしている。もともと身体に不調を感じると、すぐに病院に行く方である。
語りの内容
まあ……、女性の前で言いにくいけど……。男性自身の、あのー、元気がなくなった。もう……、ね、あんまり役に立ち、もう年齢的にももう役に立たんようになる時期なんだけど、でも、まだ年上で元気な人もいるしね。だけえ……。もちろん若い人でもね、こればっかりは個人差があるんやろうけど。まあ、それがさびしいかなぐらいのもんだな。うん。
それはもう、生殖器の一部を取っとるわけやから、それはもう生理的になくなるもんなんで、だから、それはもうあきらめてはおるけども。
ただ、可能性としては半分残ってたんだけど、手術したときは残ってたんだけど、結局……。早い人で3カ月。だから、「3カ月から1年ぐらいで、元に回復、元通りに回復しますよ」っていうことだったんだけど、回復は多分していると思うけど、年齢的にもう、自然にもう、減退状態に入ってるから。だからもう自然現象で、うん、なくなってきてるっていう状態なんで、どうすることもできないでしょうね、これは(笑)。
これはもう、手術……したから、結果的によ、したから、せんからって、あんまり関係なかった。でも、全摘の場合は、完全にもう機能が、あのー、排尿以外の機能、なくなるっていうから、多少……、何ていうの。残ってるんだけど、実際には役立(やくた)ってないから、まあ、どうでもいいやっちゅう感じになるだけでね。うん。
やっぱ全摘すると、気持ちの上では、あれ、どうせ年齢的に駄目になる…なんだけど、あのー、何でもそうだけど、できるけどしないのと、できないのとの精神的な違い。うん。する能力、それから力。スポーツにしても、勉強にしても、何でもいえると思うんだけど。だけど、しないのとね、したくてもできないっちゅうのとのギャップってあるじゃない? そのー、差がね、あったんで、「全摘はやっぱりちょっと待ってくれ」だったんやね。
だけえ、それは一応、精神的に、のほう、大きいから、正解だったと思う。半分残して、神経残したっていうことはね。でも、全然、役立(やくた)ってないけどね(笑)。現実にはね。うん。
―― うん。でも、お気持ちでは、やっぱりすごく大事な部分だったんですよね。
うん。男としては大事だと思うね。
―― はい。
うん。この事実いえるのはそれやろうな。
インタビュー20
- ふらつきが続いていたために受診した内科で、検査の際についでにPSA検査も勧められたので受けた
- 手術で膀胱と尿道を繋いだところが狭くなり(尿道狭窄)、尿が出なくなってしまった。狭くなった尿道を広げる処置がつらかった
- できるけどしないのとできないのでは精神的に違うと思い、勃起神経温存を選んだ。術後すぐは多少よかったが、今は役に立たず、諦めていても、やはりさびしい
- たまたま見たテレビ番組で、がん予防の食事として玉ねぎの味噌汁が紹介されていたので、自分を実験台にして効果を試している
- 手術を受けたが、高額療養費制度を利用したので、何とかなった。その場合、月はじめに入院するようにして、1ヶ月で退院できると安く上がると思う