診断時:67歳
インタビュー時:74歳(2008年12月)
首都圏在住。結核、肺がん、胃がんの経験あり。60歳から頻尿があったが、夜のトイレの回数が増えたので、がんセンター受診。2000年2月PSA値6.38で1年経過を見て、2001年3月に生検で前立腺がんが確定して手術を予約。その後HIFU(高密度焦点式超音波療法)を知り、9月に転院して治療を受けた。翌年1月PSA値が再上昇したため、2度目のHIFUを実施。その後はPSA値も安定していてQOLも良好。
プロフィール詳細
K.Uさんは幼い頃から病弱で、15歳のときには結核で療養所に入り、死を身近に感じながら育ってきた。57歳の時に肺がんが見つかり肺の5分の1(右上葉)を切除。その2年後くらいから頻尿になったが、前立腺肥大という診断で9年間様子を見ていた。一晩にトイレに行く回数が6回くらいになったため、2000年2月、肺がんでかかったがんセンターを受診。その時はPSA値が6.38で、さらに1年経過観察をしたが、さらに値が上昇したため、2001年5月に生検をした。前立腺の内部にとどまっているがんだということがわかり、前立腺全摘手術を勧められ、予約も入れてホルモン療法を開始した。
同じ頃たまたま新聞でHIFU(高密度焦点式超音波療法)を知った。出血がなく、男性機能障害が小さく、入院日数も少なく、再施術も可能といったメリットがある一方、当時はまだ実績が少なく(K.Uさんが受けたときにはその病院で42例目だった)、再発の可能性があるといったデメリットもあり、それらを天秤にかけて迷っていたが、息子が「説明だけでも聞いてみたら」と後押しをしてくれた。資料をもらいに行ったがんセンターでは「再発するぞ、死んでもいいなら行きなさい」と言われたが、モルモットになるつもりで、HIFUを実施している大学病院を受診。2001年9月にHIFUを受けた。
退院後間もなく尿閉となり、病院が遠かったため処置を受けるまで非常に苦しい思いをしたが、その後はカテーテルで導尿するようになって順調に回復。PSA値も一旦下がったが、翌年1月に再び上昇に転じ、生検をしたところ、まだがんが残っているということで、3月に2度目のHIFUを受けた。現在はPSA値も1.3くらいで安定しており、多少の頻尿はあるものの、前立腺がんに関しては特に問題はない。ただ、2002年に胃がんが見つかり、胃を半分近く切除。その後再発したが、そのときは内視鏡で手術ができた。
がんというとすぐ死をイメージして怖がる人が多いが、K.Uさんは糖尿病や心臓病と同じだと思っている。車を運転している人も実際は余命が1時間しかないかもしれないのに、がんだけ不治の病と特別扱いするのはおかしい。もちろん死は怖いし、残される家族のことも心配だが、もうじき75になることだし、いずれは皆土に返ると思えば、そろそろ覚悟を決めてもいいという感じがしている。
同じ頃たまたま新聞でHIFU(高密度焦点式超音波療法)を知った。出血がなく、男性機能障害が小さく、入院日数も少なく、再施術も可能といったメリットがある一方、当時はまだ実績が少なく(K.Uさんが受けたときにはその病院で42例目だった)、再発の可能性があるといったデメリットもあり、それらを天秤にかけて迷っていたが、息子が「説明だけでも聞いてみたら」と後押しをしてくれた。資料をもらいに行ったがんセンターでは「再発するぞ、死んでもいいなら行きなさい」と言われたが、モルモットになるつもりで、HIFUを実施している大学病院を受診。2001年9月にHIFUを受けた。
退院後間もなく尿閉となり、病院が遠かったため処置を受けるまで非常に苦しい思いをしたが、その後はカテーテルで導尿するようになって順調に回復。PSA値も一旦下がったが、翌年1月に再び上昇に転じ、生検をしたところ、まだがんが残っているということで、3月に2度目のHIFUを受けた。現在はPSA値も1.3くらいで安定しており、多少の頻尿はあるものの、前立腺がんに関しては特に問題はない。ただ、2002年に胃がんが見つかり、胃を半分近く切除。その後再発したが、そのときは内視鏡で手術ができた。
がんというとすぐ死をイメージして怖がる人が多いが、K.Uさんは糖尿病や心臓病と同じだと思っている。車を運転している人も実際は余命が1時間しかないかもしれないのに、がんだけ不治の病と特別扱いするのはおかしい。もちろん死は怖いし、残される家族のことも心配だが、もうじき75になることだし、いずれは皆土に返ると思えば、そろそろ覚悟を決めてもいいという感じがしている。
インタビュー40
- 肺がんの術後、頻尿になってきたが、当時はPSA検査がなく肥大だろうと言われた。9年後、一晩に6回もトイレに行くようになり、検査をお願いした(テキストのみ)
- HIFUは出血もないし、2度でも3度でもやり直しができるということで、これはいいと思い、手術の予約を断ってHIFUを受けた(テキストのみ)
- 最初にかかっていたがんセンターからはHIFUでは再発して死ぬかもしれないと言われたが、モルモットでいいやと思った(テキストのみ)
- HIFU後、バルーンカテーテルを抜いた後は自己導尿をしたり、尿道を拡げるために鉄の棒を通したりした(テキストのみ)
- 漢方の効果は否定しないが、儲け主義で売っているようなサプリメントは反対。食品で補うのが一番だと思う(テキストのみ)
- 15歳で肺結核になり死について考えた。死は怖いが金子みすゞの詩にあるように何万匹もイワシを食べた人間として、この辺でやめてもいいかと思う(テキストのみ)