診断時:61歳
インタビュー時:62歳(2008年8月)
2007年8月に診断を受け、肥大した前立腺を小さくするためにホルモン療法開始、翌年3月に小線源療法を受けた。現在は外来にて定期的に検査を受けている。診断を受けたときには、首都圏在住で、キャリア開発関係の会社の経営者として働いていた。妻と既に独立した2人の子どもがいる。
プロフィール詳細
U.Fさんは、1年前に前立腺がんの診断を受けた。人材開発系の会社を経営し、企業などに出向く研修講師として多忙な日々を過ごしていた。2006年のはじめ、夜間頻尿が始まり、前立腺肥大として内科から投薬(ハルナール)を受けていた。しかし1年も経過すると薬が効かなくなり、紹介を受けて泌尿器科を受診した。直腸診から単なる前立腺肥大ではないかもしれないと指摘された。PSA値が上がり続けていた事もあり、勧めに従い精密検査を受け、生検の結果10本のうち1本だけにがん細胞が出た。このとき「他の人より10年早い」という思いを抱いたが、それほどショックは受けなかった。というのも、5年前に近隣の病院にかかった時「胸に影がある」と言われ、肺がんかもしれない、という思いから目の前が真っ暗になった経験があったからだった。肺がんで手術が出来ずに亡くなった人は何人も見聞きしていた。結果的には結核と判明したが、その当時の不安と比べると、前立腺がんは治療法も割合確立し、予測も立つ。幸い「がんの顔つきは良い」とも言われた。
治療法の選択時、医師からは「今はたくさんの出版物がある、どうぞ調べてみてください」と説明を受けた。説明を聞き、本で調べ、「何もしないで様子を見る」という選択肢もあったが、発見が遅れて転移してしまった知人から「今のうちに何かしたほうが良いのでは」と言われ、悩んだ末、術後の生活の質や、通院に大きな時間は取れないという仕事の都合を考慮して、小線源療法を選択した。ただし、前立腺肥大がひどかったため、前立腺を小さくしなければならず、小線源療法を受ける前にホルモン療法を受ける必要があった。4ヵ月の治療期間であったが、副作用のため、やる気が起きない、闘争心がなくなるという苦しい思いをした。
その後、2008年3月末に小線源療法の施術を受けた。治療を受け、不安がとれてよかったと感じている。施術後5ヵ月が経過して、PSA値も安定し、ホルモン療法の副作用も改善しているが、事前に本で知っていた状況とは異なり、未だに治療後の副作用―排尿困難、排尿時の痛み、夜間頻尿、切迫尿が続き、生活に支障を感じている。
治療を受けるうえで、5年前から取り組んでいる模擬患者のボランティア経験が、非常に役に立ったと思う。その活動を通して、医師の養成課程を見ることが出来、医師の考え方、医師との付き合い方が分かった。また、その活動で知り合った医師に、雑談まじりで質問をしたりすることができる場を持てた。その体験から、医療に関係のない普通の人でも、医療に少しでも近寄って勉強したほうがよいと思う。
この先、いつまでやれるかという不安はあるが、妻と二人で過ごす時間を大事にしたい、医療に少しでも貢献したいという意欲を持って生活している。
治療法の選択時、医師からは「今はたくさんの出版物がある、どうぞ調べてみてください」と説明を受けた。説明を聞き、本で調べ、「何もしないで様子を見る」という選択肢もあったが、発見が遅れて転移してしまった知人から「今のうちに何かしたほうが良いのでは」と言われ、悩んだ末、術後の生活の質や、通院に大きな時間は取れないという仕事の都合を考慮して、小線源療法を選択した。ただし、前立腺肥大がひどかったため、前立腺を小さくしなければならず、小線源療法を受ける前にホルモン療法を受ける必要があった。4ヵ月の治療期間であったが、副作用のため、やる気が起きない、闘争心がなくなるという苦しい思いをした。
その後、2008年3月末に小線源療法の施術を受けた。治療を受け、不安がとれてよかったと感じている。施術後5ヵ月が経過して、PSA値も安定し、ホルモン療法の副作用も改善しているが、事前に本で知っていた状況とは異なり、未だに治療後の副作用―排尿困難、排尿時の痛み、夜間頻尿、切迫尿が続き、生活に支障を感じている。
治療を受けるうえで、5年前から取り組んでいる模擬患者のボランティア経験が、非常に役に立ったと思う。その活動を通して、医師の養成課程を見ることが出来、医師の考え方、医師との付き合い方が分かった。また、その活動で知り合った医師に、雑談まじりで質問をしたりすることができる場を持てた。その体験から、医療に関係のない普通の人でも、医療に少しでも近寄って勉強したほうがよいと思う。
この先、いつまでやれるかという不安はあるが、妻と二人で過ごす時間を大事にしたい、医療に少しでも貢献したいという意欲を持って生活している。
インタビュー19
- 夜間頻尿があって、内科で薬を処方してもらったが1年ほどで効かなくなり、直腸診で肥大じゃないかもしれないと言われ、検査を勧められた
- PSA値が4以降ならばがんを疑うというが、3すれすれでがんがみつかった。マーカーは必ずしもどんぴしゃりではないらしい
- 生検の結果、1本からだけがんが出たというので逆に困ってしまった。しばらく様子を見るか?それとも早めに治療した方がいいのか?と悩んだ
- 1年先まで仕事が入っていて、今まで通り仕事を続けながらの治療が絶対条件だったので、数日休むだけで復帰できる小線源療法を選んだ
- セカンド・オピニオンではないけれど、知りあいの医師に雑談まじりに「先生だったらどう思う?」と意見を聞いた
- 前立腺の体積が大きかったので、それを縮める目的で、小線源治療の前に4ヶ月間ホルモン療法を受けた
- 小線源治療を受けたときの様子。剃毛しストレッチャーで手術室へ運ばれた。治療する部屋は放射線管理区画で、まるで倉庫のようだった
- 小線源治療後5ヶ月経つが、夜間頻尿などの排尿障害が続いている。文献で書かれている期間ではなくならなかった
- 小線源療法を受けた後、放射線源が入っているため日常気をつけなければいけないことが書かれたパンフレットを渡された
- 何もしないで様子を見ることも考えたが、近所の人で見つけるのが遅れて骨転移した人に今のうちに何かした方がいいとアドバイスされた
- 企業の外部講師をしていた。スケジュールの変更は絶対あってはならない仕事だが、入院日と重なった仕事先だけには事情を伝えて何とかした