診断時:72歳
インタビュー時:73歳(2015年1月)
甲信越地方在住、専業農家。子供3人は自立し、妻と二人暮らし。自治体補助が受けられる1日人間ドックを毎年受けていた。2014年にPSAが4.0を超えていると伝えられ近隣病院で生検、19本中3本にがんが見つかった。知人で同じく前立腺がんで全摘手術を受けた人がいて、その人が90歳を超えてもなお元気な様子だったので、自分もそうありたいと手術を希望。担当医からロボット手術を勧められ、即決した。9月の手術まで4か月近く待つ必要があった。手術直後は、痛みはなかったものの尿漏れがひどかったが11月にはすっかり良くなった。現在のPSAは0.003。
プロフィール詳細
Mさんは、甲信越地方在住。専業農家として働き続け、73歳の今も現役で果物と水稲を中心に農作業に精を出している。子供3人はすでに自立し、妻と二人暮らし。
自治体の補助で安く受けられる1日人間ドックを、友人がセンター長を務める健康管理センターで毎年受けていた。その健診で2014年、PSAが4.0を超えていると伝えられた。いきなりのことだったので、びっくりした。近隣の大きな病院で精密検査を受けることになったが、周りにPSAが20を超えても、がんが見つからないという人もいたため、どうなるだろう思っていた。PSAは6.6だったが、19本中3本にがんが見つかってしまった。
担当医から治療の選択肢を示されたが、同じように70歳ごろに前立腺がんを患い手術を受け、その後「本当にがんだったのかな?」と自分自身で疑うほど、90歳を超えて亡くなる直前まで元気に働いていた知人を思い浮かべ、あの人のようにありたいと思い、手術で取ってしまいたいという意向を伝えた。担当医からは後遺症も少ないのでとロボット手術を勧められた。手術を決めた5月時点で予約一杯だったため、9月まで待たなければならなかった。ちょうどブドウの収穫が終わっている時期なので、仕事の面では都合がよかったが、前立腺がん末期であっという間に亡くなった知人がいて、「前立腺の中にがんがとどまっている、画像検査でも転移はない」と言われたものの「1か月後にはどうなっているかわからん」と不安に思いながら、手続きを進めていった。ロボット手術では頭の位置を低く保つ姿勢を長時間とるため、白内障の既往がある自分は、緑内障のリスクを心配され、眼圧に問題ないか検査を受ける必要があった。
手術そのものは問題なく終わった。最初からこの病院なら大丈夫と思っていたので、不安もなかった。術後は翌日から起きて動くことができ、痛みもほとんど気にならなかった。直後は尿漏れがひどく、パッドがびしょびしょになったが、退院までには少しずつ治まっていった。担当医から聞いていたより時間はかかったものの、力仕事の要る稲刈りを終え、11月を迎えるころにはすっかり良くなった。
テレビ番組で、ロボット手術よりさらに負担の少なそうな、がん治療の最先端を見たとき、焦って手術を受けたのは失敗だったかな?とよぎったが、「いやいや、あのまま放置していたら進行していたかもしれない」と思い直し、友人の医師のいうように、早く見つけて治療するという選択をして、今は良かったと思っている。
現在のPSAは0.003。手術前と同じように体が動く喜びを感じながら、このまま元気で働き続けたいと願っている。
自治体の補助で安く受けられる1日人間ドックを、友人がセンター長を務める健康管理センターで毎年受けていた。その健診で2014年、PSAが4.0を超えていると伝えられた。いきなりのことだったので、びっくりした。近隣の大きな病院で精密検査を受けることになったが、周りにPSAが20を超えても、がんが見つからないという人もいたため、どうなるだろう思っていた。PSAは6.6だったが、19本中3本にがんが見つかってしまった。
担当医から治療の選択肢を示されたが、同じように70歳ごろに前立腺がんを患い手術を受け、その後「本当にがんだったのかな?」と自分自身で疑うほど、90歳を超えて亡くなる直前まで元気に働いていた知人を思い浮かべ、あの人のようにありたいと思い、手術で取ってしまいたいという意向を伝えた。担当医からは後遺症も少ないのでとロボット手術を勧められた。手術を決めた5月時点で予約一杯だったため、9月まで待たなければならなかった。ちょうどブドウの収穫が終わっている時期なので、仕事の面では都合がよかったが、前立腺がん末期であっという間に亡くなった知人がいて、「前立腺の中にがんがとどまっている、画像検査でも転移はない」と言われたものの「1か月後にはどうなっているかわからん」と不安に思いながら、手続きを進めていった。ロボット手術では頭の位置を低く保つ姿勢を長時間とるため、白内障の既往がある自分は、緑内障のリスクを心配され、眼圧に問題ないか検査を受ける必要があった。
手術そのものは問題なく終わった。最初からこの病院なら大丈夫と思っていたので、不安もなかった。術後は翌日から起きて動くことができ、痛みもほとんど気にならなかった。直後は尿漏れがひどく、パッドがびしょびしょになったが、退院までには少しずつ治まっていった。担当医から聞いていたより時間はかかったものの、力仕事の要る稲刈りを終え、11月を迎えるころにはすっかり良くなった。
テレビ番組で、ロボット手術よりさらに負担の少なそうな、がん治療の最先端を見たとき、焦って手術を受けたのは失敗だったかな?とよぎったが、「いやいや、あのまま放置していたら進行していたかもしれない」と思い直し、友人の医師のいうように、早く見つけて治療するという選択をして、今は良かったと思っている。
現在のPSAは0.003。手術前と同じように体が動く喜びを感じながら、このまま元気で働き続けたいと願っている。
インタビュー51
- 診断を受けたとき、とにかく早く、手遅れにならないようにと自分から、せっかちなくらい主治医に手術を提案し、勧められたのがロボット手術だった
- 術後一晩あけて看護師付き添いで歩いた。小便の管(尿道カテーテル)は不便だったけれど、痛みはほとんどなかった。医師も「順調だよ」と言ってくれた
- ロボット手術時の姿勢が頭を30度近く低くするので、白内障の自分は緑内障のリスクを確認するために入院前に検査を受ける必要があった
- 保険診療であったのと、農協の共済保険に入っていたので、金銭的な負担は「この程度ですんだか、よかった」という程度だった
- ロボット手術を受けるまで、4か月ぐらい待つ必要があった。転移がないのはわかっていたが、待っている間に転移したら困る…という気持ちだった