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診断時:70歳
インタビュー時:72歳(2008年11月)
東海地方在住で、妻と2人暮らし。トイレが近くなったのをきっかけに受診し、定期的なPSA検査を勧められるが十分な説明がなかったため中断。その後、市の健康診断で値が6.5に上がっていると分かり、生検を受け2006年11月に診断された。手術は絶対に嫌だったのでインターネットで隣県の施設で行っているHIFU(高密度焦点式超音波療法)を探して受け、経過は順調。妻もがんを患い、夫婦で代替療法を取り入れている。
語りの内容
それでまあ多くの方…今、インターネット見ますと、やっぱり全摘出手術が一番多いですかね。そんなことで、それがいいじゃなくて、それしかないよというふうなことで、言ってみえて。決してそれも悪くはないとは思うんですけども、本来あるべきものをとってしまうということは、やはり私としては不安だったですし。また、手術となると、前立腺の場合は、特に血がたくさん出るといいますかね。何か手術には、たくさんの血液もいるらしいですし。それから一時、いつごろだったか分かりませんけども、腹腔鏡を、素人っちゅうかね、練習替わりにやって事故死(というの)がありましたね、確か。それで亡くなってしまったようなこともありますし。とにかく結構、全摘手術というのは、患者に負担が多い手術だと。特に高齢者になると、その手術もできないということも載っていますしね。そういう点では、特に「切らずに」ということで…小線源、それもがんセンターで、小線源はやっているみたいでしたけども、「うちでは駄目だ」ということでね。それでまあ、全摘手術しかない。それで私が何とか、切らず(に済む)方法ということで、HIFU(を見つけた)。でも、これは保険が利かないということですもんでね、その点、ちょっと考えたんですけれども。やはりまあ、(がん)保険からも少しおりるし、まあ、なるたけ私はやりたいということで、まあ家内とも相談してですね、それにしようということで。それで(東海地方の)病院ですけれども、そこで先生にも「大丈夫」という許可を得たもんで、それでやったんですけどね。
インタビュー37
- グレーゾーンといわれたが、定期的な検査の必要性がよく分からなかった。精密検査を受けるタイミングなど、医師から患者にきちんと説明してほしい
- 本来あるべきものを取ってしまうのは不安だったし、手術は出血が多いと聞き、負担が大きいと思ったので、切らずにすむ方法を探した
- HIFUとは虫眼鏡の原理で超音波の焦点を合わせて温度を上げ、がんを焼いてしまう治療法だと聞き、恐る恐るだが受けてみることにした
- HIFUは安全性や性機能の面でも一番いい治療だと思うので、あとはお金の問題。保険が認められていないのがデメリットだ
- 入院した日の午後にHIFUを受けて夕方には病室に戻った。本当に治療できているのかと思うくらい簡単な手術だった
- HIFUでは性機能が残るといわれ、1年くらい経って試してみたら残っていたが、射精はないので子供はできない
- HIFU自体の治療費は80万円プラス消費税で、取り残しがあって再度治療をする場合は60万円と聞いた
- 妻も乳がんなので、再発予防のためにフコイダンを夫婦で一緒に飲んでいる。健康食品と言われるが自分は薬と思って飲んでいる
- がんで死ぬとしてもやることは皆やったと思いたい。免疫細胞療法はとても高いが、乳がんの妻には、土地を売ってでも受けさせてやりたい
- 公立病院の医師は代替療法自体を否定するものではないとはいいつつも、標準治療以外は勧めない。小さな病院のほうが対応してくれるらしい