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診断時:61歳
インタビュー時:62歳(2008年8月)
2007年8月に診断を受け、肥大した前立腺を小さくするためにホルモン療法開始、翌年3月に小線源療法を受けた。現在は外来にて定期的に検査を受けている。診断を受けたときには、首都圏在住で、キャリア開発関係の会社の経営者として働いていた。妻と既に独立した2人の子どもがいる。
語りの内容
スケジュールの変更というのは、僕らの社会では絶対あっては ならないのです。親の葬式に出なくてもスケジュールは守らなきゃいけないのです。それが業界のルールなんですね。仕事を断ったとか、誰かに交代してくれと言ったときは、その後の仕事はやらないよという意思表示なんですよ。で、ただ、そこに2つだけ入っちゃったんですよね、ちょうどその入院期間中に。というのは、3月末から4月頭って新入社員研修の一番忙しい時期なんです。で、どうしてもかかっちゃうと。で、そこを外すともっとえらいことになっちゃうか ら、どうしてもそこで入院せざるを得ないと。で、やむを得ないもんですから、うん、で、そこだけは誰か、ね、新入社員研修って、幸いなことに交代がきくんで、誰か講師探して代わってもらってくれと。で、ただ、いや、実はがんで手術をするんだ。おれはもう少し生きたいからと。それはもう向こうは何とも言えないわけで、反論しようがないわけですよね。親の葬式ぐらいだったらば、出てこいとなっちゃうんです。「先生、元気でしょ」ということなんですから。約束は果たしてくださいと、契約ですから。それはわれわれの世界の厳しいところなんですよね。家族が入院していても死に目に会えなかったという事例はたくさんあるんです。われわれの仕事の中では。あの、まあ、そういう最後ぎりぎりのところですよね、うん。で、その2人だけはね、というのは、その間に入った営業会社と向こうの社長にだけは言わざるを得なかったと。
インタビュー19
- 夜間頻尿があって、内科で薬を処方してもらったが1年ほどで効かなくなり、直腸診で肥大じゃないかもしれないと言われ、検査を勧められた
- PSA値が4以降ならばがんを疑うというが、3すれすれでがんがみつかった。マーカーは必ずしもどんぴしゃりではないらしい
- 生検の結果、1本からだけがんが出たというので逆に困ってしまった。しばらく様子を見るか?それとも早めに治療した方がいいのか?と悩んだ
- 1年先まで仕事が入っていて、今まで通り仕事を続けながらの治療が絶対条件だったので、数日休むだけで復帰できる小線源療法を選んだ
- セカンド・オピニオンではないけれど、知りあいの医師に雑談まじりに「先生だったらどう思う?」と意見を聞いた
- 前立腺の体積が大きかったので、それを縮める目的で、小線源治療の前に4ヶ月間ホルモン療法を受けた
- 小線源治療を受けたときの様子。剃毛しストレッチャーで手術室へ運ばれた。治療する部屋は放射線管理区画で、まるで倉庫のようだった
- 小線源治療後5ヶ月経つが、夜間頻尿などの排尿障害が続いている。文献で書かれている期間ではなくならなかった
- 小線源療法を受けた後、放射線源が入っているため日常気をつけなければいけないことが書かれたパンフレットを渡された
- 何もしないで様子を見ることも考えたが、近所の人で見つけるのが遅れて骨転移した人に今のうちに何かした方がいいとアドバイスされた
- 企業の外部講師をしていた。スケジュールの変更は絶対あってはならない仕事だが、入院日と重なった仕事先だけには事情を伝えて何とかした