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診断時:65歳
インタビュー時:69歳(2009年2月)
首都圏在住。免疫細胞療法を行っている医療法人社団の理事。2004年秋に受けたPSA検査の値が13.1で、大学病院で生検を受けたところグリーソン・スコア3+4の前立腺がんが判明。重粒子線治療を受けることを前提にホルモン療法と免疫細胞療法を開始。2005年9月から5週間入院して重粒子線治療を受け、退院後も免疫細胞療法を受けた。それから3年以上経つが、今のところPSA値は0.35前後で安定している。
語りの内容
免疫細胞療法というのはですね、がんに対抗する細胞というのが、いわゆる白血球の中にあるTリンパ球いうのが、がんをたたきつぶすものなんですけども。いろんな説ありますけども、人間の体っていうのは1日に3,000個から5,000個ぐらいがん細胞ができてくると。それを免疫細胞がたたきつぶしていたわけですけども、老齢化とか、あるいはそういう食べ物だとか、そういういろんな理由によって免疫細胞の力が衰えたときに、その、がん細胞が病変をすると。で、それが目に見えるようになるにはやはり10年ぐらいの歳月がかかるわけですけども、そういう衰えた免疫細胞を活性化することにおいてがんと戦わせようという理論ですね。
採血は20ccぐらいとほんのわずかですけども、20cc採ってそれを分離すると、白血球の中に免疫細胞が入っているわけですから、それを分離して、それを体外で2週間かけて培養することにおいて数も増えて、それから活性化するという状態にして、2週間たって培養に使った薬剤を全部洗い落として、余計な菌が混ざってるとかそういうのを全部調査して、きれいにしたものを30分ぐらい点滴でですね、戻すという治療なんですけども、キレのいい治療ではない。抗がん剤みたくがん細胞が急激に小さくなるとか、そういう治療ではないですけども、あの、患者さんの負担にならない治療、体の負担にならない治療。
副作用はまず基本的にないです。あの、軽い発熱とかそういうのはある場合もありますけど、ほとんどないです。そういう治療ですね。ただ、その、やはり2週間もかけて培養しますんで、しかも、これは全部一人一人違いますから、一つ一つの培養に全部人の手がかかってますんで、あの、そういう意味において非常にお金のかかる医療ですね。だから、患者さんが増えたからといって、治療費が安くなると、そういうことではないんですよね。
ですから、免疫細胞療法は副作用がないけども、お金がなくなるのが唯一の副作用ですと僕はよく言うんですけども。・・・1(ワン)クールというのは、2週間置きに、あの、治療をして、6回で1クールというふうに一応言っておりますけども、1回が大体25万前後なんですよね。そうすると、1クールですと、150万から。治療というのは何種類かの治療がありますから、ま、大体150万から200万ぐらいが1クールですね。
インタビュー46
- 検診は大事。過剰医療や精神的負担などのリスクもついてまわるが、患者にとって早期発見は非常に大きなメリットだと思う
- がんと診断されたとき、5年生存率70%と言われたので何故そんなことを言われなきゃならないのか?と返し、その病院と縁を切った
- 病名はともかく、余命の告知は果たして行う必要があるのか疑問。必要のない余命告知は患者の寿命を縮めると思う
- 重粒子線治療の前後にホルモン療法を受けたが、通勤ラッシュの車内で汗が出たり、皮膚のかゆみや吹き出物が出たりして困った
- 重粒子線は身体に負担の少ない治療法と聞き、先端医療なので好奇心もあって受けた。治療費が一番の副作用だと思う
- 免疫細胞療法とは採血した血液から分離した免疫細胞を培養して増やし、再び点滴で体内に戻すというもので、身体的負担は少ないがお金のかかる医療だ
- 重粒子線治療は先進医療に位置付けられていたので、入院費などは保険が利くが治療費に314万かかった
- 生と死を対決したものとして見ると、悩み、苦しみが出てくる。生死は道連れで当たり前のものだと思えば、そんなに悩まないのでは