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診断時:64歳
インタビュー時:69歳(2008年5月)
北陸地方在住。2003年6月、退職直前の人間ドックでPSAが4.3とやや高いことが分かり、精密検査で初期の前立腺がんと診断された。すぐにホルモン療法が始まり(術前投与のみ)、手術も勧められたが、他の治療法を求めて、インターネット等で情報収集をした結果、最終的にHIFU(ハイフ=高密度焦点式超音波療法)を選択し、2004年4月に施術を受けた。術後4年経過して現在はPSAの値も安定している。
語りの内容
あの、手術っていうのは、まあ麻酔をするんで、実際には何も分からない。分からないんですけど。だけど、最初はこっちが痛みを、ひどい痛みを訴えない限りは分かるような麻酔なんですよね。で、あのう、看護師さんがそばにいて、「もし、痛いときは言ってくださいよ」っていうような形で、それで麻酔をして、始まるんですけども。
まあ、案外珍しい治療からか何か知りませんけども、その、見学者が多いんですよね。ええ。若い女の人もいるんですよね。こっちみんな、こうね、あの、下半身、裸で足広げてこう。で、こう皆さんに、医者が説明して。うーん、で、「ビデオも撮りますけどいいですね」とか言ってね(笑)。もうそこまでなっといて、こんななってんのに、そう言われても、どもならんな(笑)、ええ。まあしょっちゅうビデオ撮るわけじゃないでしょうけどね、たまたまそういうときだったんでしょうけども。
それで、手術っていうのは、その、肛門から、こう…棒状のものを入れて、その先端から、その超音波を出して、前立腺で焦点を結ぶようなそういうやつですね。でも、90何度になるらしいですけども。それで、コンピューターで、この何秒照射して、したら何ミリ動かすかって、そういうことで、ずうっとこうやっていくので、だいぶ時間がかかりましたね。まあこっちはもう麻酔で分かんないんですけども、始まりから終わりまで全部で何時間かなあ。3時間ぐらいは、3時間か4時間ぐらいかかったんじゃないでしょうかね。で、途中、痛くなったんで、「ちょっと痛いんですけど」って言ったら、もうすぐに点滴の中に麻酔の薬を入れて、それからもう分からなくなったんですよね。だから、まあそういう痛みとかなんかそういうことはあんまり気にはなりませんでしたけどね。
インタビュー07
- 毎年の人間ドックで知らないうちにPSA検査を受けていた。定年前の最後のドックで見つかって幸運だったのかもしれない
- がんがどこにあるか、はっきり分かればいいのに。PSA値だけで「前立腺がんだ」といじくりまわしているような気がしないでもない
- 生検は医師によってやり方が違うし採取する数も病院によって違うらしい。どれくらい採取するのが適当か、決まっているといいと思う
- 手術を受けた人から、手術をやり直したことや、勃起能力を失ってしまって「面白くない」という話を聞き、手術は選ばなかった
- 山の会に入っていたが、ホルモン療法を始めたところ体力が落ち、遅れてしまうようになったので会を辞めてしまった
- HIFUの適用は、がんが前立腺の中にとどまっていることで、初期の段階では治療効果が高いが、大きくなると治療効果がどんどん落ちる
- HIFUは下半身麻酔で始まり、途中から痛くなってきたのでそのことを伝えたら、点滴の中に麻酔を入れられて、意識がなくなった
- HIFU後、尿道カテーテルの扱いが面倒だったが、抜いた後も血尿が出たり、尿が出にくくなったりして大変だった
- 代替療法は、医学的に証明されていないものが多いし高額なので、そういうものの話を持ってこられるとご免被りたいと思う
- ホルモン注射はビックリするほど高額だった。内服薬と合わせると毎月2万円以上かかるとなると、他の病気もあるし、年金生活ではなかなか…と思う