診断時:67歳
インタビュー時:74歳(2008年12月)
首都圏在住。結核、肺がん、胃がんの経験あり。60歳から頻尿があったが、夜のトイレの回数が増えたので、がんセンター受診。2000年2月PSA値6.38で1年経過を見て、2001年3月に生検で前立腺がんが確定して手術を予約。その後HIFU(高密度焦点式超音波療法)を知り、9月に転院して治療を受けた。翌年1月PSA値が再上昇したため、2度目のHIFUを実施。その後はPSA値も安定していてQOLも良好。
語りの内容
そのうちに、もうだいぶ良くなってきたんで抜いてもらった。それから、自己導尿用にバルーンの付いてない、普通の、ビニールの管、ストローと同じ。ストローの長いのですよね。それを3、4本もらってきた。それで、自分で、尿意を催すたびに差し込む。ちょっと痛いけどね。外出するときは早めに、駅のトイレに走り込んで。手慣れてくるとね、大便所に入らなくても、立ちながら、やりました。隣の人は何をやってんだっていうような顔してのぞき込んでいたけど。
――それは、その、だいぶ長い期間やったわけですか。そうでもなくて、割と1日、2日とかいうことですか。
いや、もっと長かった。1ヵ月ぐらいかなあ。
で、カテーテルを外しても、だんだん詰まってくるんですよね。尿路が狭くなっているというとき、鉄の棒を尿道に、入れるんですよ。それが痛いです。ちょっと、鉄の棒の先に麻酔かけますけど、最初細い棒をスッと入れて、次にもうちょっと太いのが入って(笑)、最後に小指ぐらいの太いのを入れて、そのときは痛かったです。
――その痛いのは、何回ぐらいなさったんですか。
そうだね。4ヶ月に1回ぐらい。2度か、3度ありますね。そういうふうにして、広げると、ある程度筋肉が広がるんでしょうね、だから、人間の肉なんて伸縮自在ですからね。例えば、アフリカの女の成人がこう、こうやって、金属で広げてますね、ああすると広がるのと同じで、狭くなって来たらまた金属を入れて広げる。で、もう最近はそんなことはしませんけどね。
インタビュー40
- 肺がんの術後、頻尿になってきたが、当時はPSA検査がなく肥大だろうと言われた。9年後、一晩に6回もトイレに行くようになり、検査をお願いした(テキストのみ)
- HIFUは出血もないし、2度でも3度でもやり直しができるということで、これはいいと思い、手術の予約を断ってHIFUを受けた(テキストのみ)
- 最初にかかっていたがんセンターからはHIFUでは再発して死ぬかもしれないと言われたが、モルモットでいいやと思った(テキストのみ)
- HIFU後、バルーンカテーテルを抜いた後は自己導尿をしたり、尿道を拡げるために鉄の棒を通したりした(テキストのみ)
- 漢方の効果は否定しないが、儲け主義で売っているようなサプリメントは反対。食品で補うのが一番だと思う(テキストのみ)
- 15歳で肺結核になり死について考えた。死は怖いが金子みすゞの詩にあるように何万匹もイワシを食べた人間として、この辺でやめてもいいかと思う(テキストのみ)