インタビューを受けた人たちの中には少数でしたが、化学療法(抗がん剤による治療)を受けた人たちがいました。ここでは、前立腺がんに対する抗がん剤治療の語りを紹介します。
多くの場合、前立腺がんに対する化学療法は再燃または進行した前立腺がんに対して行われています。抗がん剤として現在、治療に使われているものには、タキソテール(一般名ドセタキセル)、エストラサイトカプセルなど(一般名エストラムスチン)、5-FU(フルオロウラシル)系があり、インタビュー協力者の方々もそれらの抗がん剤による治療を受けていました。副作用としては、脱毛、倦怠感や発熱、白血球数や赤血球数の減少などを体験していました。
タキソテールの副作用には、手足のしびれなどの末梢神経障害があります。タキソテールとエストラサイトの治療を受けたインタビュー協力者は、治療中だけでなく、中止後4ヶ月たってもそういった症状が続いていると話していました。
エストラサイトカプセルは、前立腺がんに特有の抗がん作用のある内服薬です。ナイトロジェンマスタードという抗がん剤と男性ホルモンを抑える女性ホルモンが含まれている薬剤ですので、ホルモン療法の副作用も起こると言われています。
抗がん剤の投与は一定の周期で行われます。タキソテールは静脈点滴注射で投与されますが、その後の数日間は副作用でつらいので、仕事のスケジュールを考えて日程調整した人もいました。中には、はじめのころは入院して治療を受けた人もいました。この人はPSAが下がらなくなり、1年半ほどして治療を中止したそうです。副作用の出方は人それぞれで、治療中でも以前とほとんど変わらず生活できていると話す人もいました。
がんの再燃に対する抗がん剤治療中の人の中には、もうあとがないと思うと不安になると話している人もいました。
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