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診断時:57歳
インタビュー時:64歳(2008年12月)
四国地方在住で、妻と2人暮らし。娘2人が近隣にいる。会社の健康診断でPSA値の上昇を指摘され、自宅近くの大学病院を受診。精密検査を受け、2001年にがんと診断された。同じ頃、会社を退職。「形のいいがん」ということで、しばらく経過を見ましょうといわれ、2年ほど検査のみを受けていたが、値が8近くにまで上昇したので、全摘除術を受けることにした。治験段階だった内視鏡下での手術だったが、現在まで経過は良好。
語りの内容
結局、従来切除する…撤去すんのに、おなかを切って、大きく切って、あと切ってしますもんですから、まあ後遺(症)が、切り口とかそういう後遺(症)が残るいう方法やけど、「今回、新しい手法ですかね。手術方法をしてみようと思う」と。「それはまあ、試験的な形になるんですけど、やってみますか? 」という、お話を聞きましたもんで、私、説明を受けた段階では、そう難しい…難しい言うか、問題になるようなもんでなしに、経験された方…かなりの件数を今まで全国でしておられるということで、「ほんなもう、私らは素人でございますんで、先生も(そう)言われるし、そういう関連(の説明)もお聞きしとるのでお任せします」いうことで、腹腔(鏡)手術いうんですかね、で手術したわけです。
――不安な気持ちとかなかったんですか?
うん。ただまあ、ほかの病状では腹腔(鏡)手術いうの、もう聞いていましたもんでね。ただ、従来みたいにばっさり切ってするんじゃなしに、穴開けてやるいう…ちょっとこう楽な気がしましたもんで(笑)。
――ばっさり切るよりは、穴開けるほうがいいだろうという、そういう判断で、全部おなかを開く開腹ではなくて、腹腔鏡を選択された?
はい。で、まあ、現在、カメラもそういう中の…こう進歩してますんでね、拡大してかなりの技量で、そういう手術ができるということも、いろんな本で知識を得てますんでね、そんなに心配はしてませんでした。
――実際、その手術が終わった後は、割と回復が早かったということだったんですけども。
早かったです。
――痛みのほうは?
全然ないです。
――大体どれくらいで歩けるようになりました?
2日か3日ぐらい目にはもう一応、尿の袋だけぶら下げて、将棋しに行ったりね(笑)。
インタビュー42
- 術前に一番心配したのは麻酔のこと。そのまま目が覚めないんじゃないか、脊髄に打つ麻酔で症状が残るのではと不安があった
- 腹腔鏡は試験的な形ではあったが、執刀医は経験があり、任せることにした。お腹に大きな傷がなく、術後の痛みは少なかった
- 手術で勃起障害が起きるという話を聞いた記憶がないが、手術したら何らか障害が残るだろうから仕方ないことと受け止めている
- 勃起障害のことは妻にも伝えている。子どももいて用事も済んでいるし、初めのうちは焦ったときがあったけれど、そのうち慣れて諦めた
- 手術後の変化の一つとしては、前立腺を取ったあと、尿道が短くなり、尿道を締める筋肉が弱まった感じがする
- 勃起はしなくなった。医師からはバイアグラも勧められたが、年齢も年齢だし他の臓器に問題が起きたら嫌だと思い、使用はしなかった
- 2年間ほど様子を見て、PSAが7~8ぐらいまで上がってきたので再度生検をして、手術を受けることにした
- 待機療法中に、知り合いに勧められてアガリクスを試してみたが、気休めで飲んだという感じで効果があったとは感じていない