インタビュー時年齢29歳(2022年2月)
障害の内容:内部障害(クローン病)
障害とわかった年齢と状況など:21歳、看護学部3年生
現在の状況:大学院博士課程の学生、クリニック外来のスタッフ

関西地方在住の男性。小学校の時からお尻の痛みや下痢症状があったが原因が分からないまま経過し、大学の看護学部3年の実習前に、クローン病と診断された。
診断直後はショックだったが、治療をすることにより症状が緩和し、日常生活もコントロールできる状態で、附属病院に就職し3年間看護師をして現在は大学院で学んでいる。

プロフィール詳細

小学校の時からお尻が痛いという症状があり、クリニックではあせもだと言われて軟膏を処方されていた。
また時折下痢症状や原因不明の発熱などもあったが、小中高と原因が分からないまま過ごしていた。
母親が狭心症をもっていて病院にかかることがあり、人を相手にする医療職になりたいと思って、大学は看護学部に進学した。
だが入学後から、下痢やお尻が痛い症状の頻度が高くなり、一人暮らしで熱と下痢症状で困って友人を頼るようなこともあったので、クリニックなどをいくつか受診し、4件目で年齢からするとこの痔ろうはおかしいと言われて検査を続け、大学3年生でクローン病だと診断がついた。

診断がついた当初は、クローン病について調べ怖い病気だと思い、大きなショックを受け混乱した。ちょうど3年生の実習前でやることも多かったが、実習中は自分の病気のことを考えてしまうようなことが続いた。心配をかけてしまうと思って親には言わず、当時付き合っていた彼女と彼女の親には話をしていたが、まだ自分自身でもどのように自分のことを説明していいか分からなかった。

症状に関しては、診断直後から内服を始めたところ症状が落ち着き、お尻の症状やトイレの回数を気にしないで座れるようになったので、授業に集中できるようになった。
また診断当初は落ち込んだが、実習は一つ一つの実習場でそれぞれに学ぶことがあった。
診断直後は外出頻度も減って引きこもりがちだったが、それでも塾講師のアルバイトは続けていて、病気があっても変わらずできることがあると思えたことなど、目の前のことをこなしていくことで徐々に自分は大丈夫だと自信を持てるようになった。
また、卒論ではクローン病患者さんの運動習慣をテーマに調査を行って論文を執筆し、様々な患者さんから病気との向き合い方などを聞くこともできて、この経験は振り返ってみて自分が病気と向き合う上で大きな意味があったと感じている。

症状がコントロールできており日常生活には支障がなかったので、就活の時の面接では病気のことは伝えなかった。
自分がSNSで病院に行っていることを書いて同僚にクローン病だとばれたことがあったが、その時も伝えることに特に抵抗はなく過ごした。
唯一病気を持ちながら働くことにおいて大変だったのは、定期的な受診を夜勤明けや夜勤前の時間に入れていて、体力的に疲れることだった。
急性期の病棟で3年間働いた後、患者さんが退院した後のことをもっと知りたいと思い、大学院に進学した。2年前に結婚し、現在はクリニックで働きながら、博士課程で学んでいる。

クローン病になって、自分はクローン病患者の気持ちが分かると思ったこともあったが、学部生の卒業論文でクローン病の方に調査をしたときに、一人一人思いや体験は違うので、自分がクローン病だからといってクローン病の人の気持ちが分かるわけではないことが分かった。
クローン病になったことで失ったものもあったが、疾患名や症状に表れないその人の生活があることを体験できていて、「病気になったメリット」も大きい。
何か病気があっても、信頼できる人に相談して、人を頼りながら過ごすことが重要だと感じる。
また、慢性疾患の症状に対して、自己管理が悪いといった見方も社会にはあるが、本人がどんなに努力をしてもコントロールできないことはあるので、正しい知識が普及して、偏見がなくなればと思っている。

私は: です。

(アンケート結果の扱いについては個人情報の取り扱いについてをご覧ください。)

認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

ご支援
ご協力ください

モジュール一覧