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インタビュー時年齢:28歳(2019年9月)
障害の内容:精神障害(反復性うつ病)、発達障害(自閉症スペクトラム障害)
学校と専攻:大学・法学部(2010年度入学)
関東地方在住の女性。高校の時から、秋冬になると気分が落ち込む症状があった。大学入学後は秋になると大学に行けなくなり、2年生でカウンセリングを受け始めた。3年秋冬の就職活動がうまくいかず、その後大学院在学中に、春夏と秋冬で気分に波が出る「反復性うつ病」と、発達障害の「自閉症スペクトラム障害」と診断された。現在は社会人1年目で、一般企業の障害者雇用枠で働いている。
語りの内容
6年目の4月から、自大学で発達障害の人のためのグループワークが開催されて、そこに参加するようになって…。
私は後に自閉症スペクトラム障害っていう診断を受けたんですけど、その頃は自分が発達障害っていう意識はなかったんですけど。カウンセラーさんに、大学に来るきっかけの一つとして行ったらいいんじゃないかって言われて誘われたために、参加したっていうのがあって…。
これが、でも結構、何て言うんだろう…。これ(グループワーク)に出たことによって、もしかしたら自分って発達障害かもっていう気付きにもなったし、結構具体的にこういうときはこうしたらいいっていうような話もあったりして、結構これがすごく参考になったというか…、結構、大学時代の、良かった思い出ですね。
大体1週間に1度集まって、例えば、あいさつの仕方から始まり、人にものを頼むとか、上手に断るとか、あとはアサーショントレーニング(相手に不快な思いをさせず自分の気持ちを素直に表現するコミュニケーションのトレーニング)とか…。あとは何だろう、ピアサポートなんかもあって、それぞれが悩みを出してみんなで、その対処法を考えるっていうようなこともあったりして、結構内容が盛りだくさんのものだったりしました。
――どのぐらいの規模で、何人ぐらいで、そういうことをされていらしたんですか。
一番最初に集まった人数は、10人、もうちょっといたか、15人ぐらいなんですけど、ちょっと授業の関係で出られなかったりとか、あと、私なんかもちょっと秋冬にまた出られなくなったりとかして人数がちょっと減って、大体5人から10人の間で毎回開催されるっていうかたちでした。
――分かりました。
ご自身としては大学時代のそれは、最初に、良かったっていうふうにおっしゃっていたんですけど、具体的にはご自身にとって、そういう場はどんなふうに良かったかなって、今振り返って思っていらっしゃいますか。
そうですね…。
結構同じような悩みを持つ人同士のグループワークだったので…、何か自分の悩みもすごく話しやすかったっていうのがあります。結構、友達にも、もちろん話したりはしてましたけど、なかなか、やっぱ分かってもらえないこともあったりして。何か、秋冬になるとちょっと体調悪くてっていう話をしたら、うーん、何か…、それはサボりじゃないの?みたいな感じのことも言われたりもしたんですけど。
割と同じような悩みを持って、大学にちょっと行きづらい人もいたりして、そういう人…、との間だと自分も悩み話しやすいし、他の人の悩みも、理解しやすいし…。
あとは、そうですね…。後に自閉症スペクトラム障害って付くんですけど、そのときは何で自分が、そういう部活とかでも何かうまく、部活、サークルでも、うまく何か自分のことを伝えられなかったんだろうとか、そういう悩みもあったりして、こういうふうに伝えればうまく伝えれたんだとかっていう気付きにもなって……。
なので、そうですね、自分の悩みを話せたっていうことと、そういうやっぱコミュニケーションのこつみたいなのを教えてもらえたっていうのがすごく役に立ったなと思います。
インタビュー32
- 障害者雇用を専門に扱っているエージェントや大学のキャリア支援室等で面接の練習をして、15社くらいにエントリーして、内定をもらえた1社に就職した(音声のみ)
- 就活の際に自分でノートを作って、カウンセリングにかかった時期やうまく行ったこと、行かなかったこと等を整理したことが、会社で配慮をお願いするのに役立った(音声のみ)
- 障害者雇用を勧められ、主治医に診断書を書いてもらい手帳を取得した。診断にも納得し、職場も配慮があり働きやすいが、バリバリ働く同級生との違いを感じたこともあった(音声のみ)
- 学生相談室などに相談できるといい。相談することで、他の資源につながることもあるし、相談することは、自分の障害について理解し、得意不得意を知ることになる(音声のみ)
- 大学のグループワークに参加するまで、自閉症スペクトラム障害について全く知識がなかった。もっと発達障害や精神障害について学べる機会があるといい(音声のみ)
- 学生相談室のほかに、保健センターやキャリア支援室など様々な相談窓口があったが、相互にあまり連携が取れていなかった。お互いが連携を取れるといいと思う(音声のみ)
- 自分は障害者雇用で就活をしたが、大学には障害者雇用に関する知識を持った人が少なく、キャリア支援室も、障害者雇用については知らないことが多いと感じた(音声のみ)
- 初めて一人暮らしをしたときは授業の力配分も分からず、部活や家事などもあって苦労したが、2年生になると手の抜き方もわかってきて生活面は楽になった(音声のみ)
- 当時は自分が発達障害だという意識はなかったが、似たような悩みを持つ人とのグループワークでは自分の悩みも話しやすく、具体的なことを学べたのも良かった(音声のみ)
- 最初に学生相談のカウンセリングに通い始めた時は、男性カウンセラーで話しづらいこともあり、行けなくなった。次の時には、女性のカウンセラーをお願いした(音声のみ)
- 父親は診断名を聞いても「だらけているだけ」と思っていたようだが、その後、大学の保健センターの人から話を聞いて考えが変わり、障害者雇用も理解してくれた(音声のみ)
- 大学を休みがちになっても、実家にいる親にはそのことを言わなかった。心配をかけたくない思いもあり、また出来ない自分を見せたくなかったようにも思う(音声のみ)