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インタビュー時年齢:26歳(2020年12月)
障害の内容:肢体不自由(下肢障害)
学校と専攻:大学・工学部(2014年度入学)、大学院・機械工学(2018年度入学)
関西圏在住の男性。脊椎・胸郭異形成症による体幹機能障害で、短い距離は歩くことはできるが、外出には電動車椅子を使用。軽度の難聴もあり、骨伝導の補聴器を使っている。小・中学校では普通学級で学び、高校に進学してまもなく大きな手術を経験して1年間休学した。国立大学に進んで機械工学を学び、大学院に進学して修士号を取得。総合職の技術職として採用してくれるところを求めて就活をして、大手電機メーカーに就職して研究開発の仕事に従事している。
語りの内容
大学受かってからは、保健の先生みたいな先生と同席して、ちょっと事前に打ち合わせみたいな感じの機会をもらって、自分がどういう状況で、万が一のときは保健の先生は何かできることがあるかみたいなのとか、「どういうサポートが欲しいですか」みたいな、そういう話はさせてもらう機会がありまして。そのときには、特にその発作が起こるとか、突然自分がぶっ倒れちゃいますっていうことはなくて。なんで、「段差とか、そういうことが困るかもしれないし、生活してみないと分かんないですね」っていう話をしながら。
で、地元の大学だったんですけれども、家から通うとですね、500メーターぐらい移動してからバス停があって、バス停から1回、主たる駅に移動して、その主たる駅からしか大学までのバスがなくて、ノンステップバスとかありますけど、バスを2回乗り換えないといけないんですよね、駅で。そういう話があってとか、少々あって、大学の敷地には寮があるんですが、その寮に入れさせてもらう、特別に。基本的には、地元の人なんて家があるんで、家から通いなさいって話なんですよね。距離的にもそんな、自分ちから遠いねっていう話でもなかったので、本当は。なので、そこは配慮してもらえたし、十分。
(寮は、)AからFまであって、AとFに1部屋ずつ1階に広い部屋があるんですね。加工された部屋があります。僕のほうは2部屋を1部屋にしたような感じで、その中にトイレとお風呂と全部完備してるっていう部屋がありました。自分の部屋のドアは、病院みたいなつり戸で、「簡単に開くよ」みたいなドアで、改造されてました。なので、そこはもともと配慮されてたのかなという部屋があって、それに入らせてもらいましたよっていう。そこから車椅子で学校に通ってました。
構内が、工学系の大学はみんなそうかもしれないんですけど、建物が大体密集してるんですね、あえて真ん中に。そこを縁取るように私道が1個あって、その周辺に駐車場とかがあるんですけど、グランドとか。その端っこのほうに寮があって、そこから構内のほうに、構内の中で移動するときに私道をまたぐんですけど、私道を渡るときに、その縁取るように、低木っていうんですか、木がこう生えてるんですね。そのカーブの所で渡ったりするときに、木があって見えにくいんで、それを自分の顔が出るぐらいの高さに切ってもらうとか、そういうことをして、安全に渡れるようにとか、ミラーをちょっと角度を変えてもらうとか、付けてもらったのか、角度を変えたのか、ちょっと覚えてないんですけど、そういった、アプローチに関する危ない所は2回ぐらい、1回、2回、一緒に見て、できる所をやってもらってみたいな。
理工系インタビュー11
- 振動工学の研究室では一人で実験するのは危ないということで、シミュレーションを使った研究を選んだ。手を動かすことが好きなので実験できないのは寂しかった(音声のみ)
- 技術職として就職した会社では実験も他の人と同様にやらせてもらっている。最初から「こういう人間だからこの仕事」と決めつけることのない社風がありがたい(音声のみ)
- 機械工学科は学生数が多く、優秀な人がたくさんいる中でどうやって差別化するかを考えて、ユニバーサルデザイン関連の資格試験を受けて自分に付加価値を付けた(音声のみ)
- 企業ホームページに障害者雇用のタブがあってもそちらで総合職採用されるのかわからず、直接聞く勇気もなくて不安で、20社ぐらいにエントリーシートを出した(音声のみ)
- 自宅は地元だったが、入学前に通学でバスを2回乗り換えることを伝えたら、寮を使わせてもらえることになった。学内の車道の見通しが悪い所の木も切ってもらった(音声のみ)(NEW)
- 活動は地域に根差した活動をすることがモットーで、定期演奏会などがローカル新聞に掲載され、活動が広がった。学生連盟の理事もして、120人規模の演奏会をした(音声のみ)(NEW)