インタビュー時年齢:40歳(2020年9月)
障害の内容:脊髄損傷による肢体不自由(下肢障害)・手動車椅子使用
学校と専攻:大学・工学部(1998年度入学)、大学院・応用化学(2002年度入学)
関東地方在住の男性。20歳のとき自動車事故で脊髄損傷となり、車椅子の生活になり1年休学の後、復学。成績優秀だったにもかかわらず、第一希望の研究室に入ることができず、就職活動でもいくつもの企業に断られるなど、多くの壁に直面した。現在の職場は希望する研究職で受け入れてくれ、材料分野の研究では商品化につながる成果を出すことができた。今は会社の支援を受けながら、学生時代から続けてきたスポーツでも国際大会に出場している。
語りの内容
元々ですね、一人暮らしをしていまして、けがをしたときに、階段の上にあるとこだったので、同じところには住めないということで、場所を変えて下宿をしたんですが、大学3年間、3年のときの1年間はですね、私の母親が同居をして、料理をしたりとか手伝いをしてくれていました。
ただし、私としては元々一人暮らしをしていたっていうのがあって、ある意味では障害を負ったことによってできなくなったっていうことはもちろんあるわけですけれども、それによって母親が来てるっていうことじゃないですか。なので、それがある意味、何て言うんですかね。障害の象徴みたいな感じになっていて、母親がいるっていうことに対して、ものすごいこう嫌悪感というか、抵抗感を感じたっていうのがあって、「お願いだから、もう帰ってくれ」ってことをずーっと言ってて、結局、例えば夏休みの期間とかそういうときに、ほぼずっと帰ってるっていうな感じが続いて、3年の後半になると、もう2週間とか1カ月にいっぺんぐらい家に来て、掃除をして帰るみたいなですね、そんなようなサイクルでやっていました。