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インタビュー時年齢:29歳(2021年8月)
障害の内容:内部障害(卒業後に線維筋痛症と診断された)
学校と専攻:大学・文学部(2012年度入学)
関東地方出身の女性。入学当初は元気だったが、1年生の秋から体に痛みが出始め、様々な医療機関にかかるも2年生で徐々に症状が悪化して、3年生で休学した。休学3年目に大学と相談してオンライン授業で復学し、一時は通学もしたがやはり体力的に難しく、再度の休学を挟んで2020年3月に卒業した。卒業後に、病名が分からない人を診ている医療機関で線維筋痛症と診断された。
語りの内容
病気になって最初の1年、2年くらいは、今まで読めなかった本が理解できるようになってるっていうのが驚きとしてあって。文学部哲学専修で私は大学通ってたんですけど、そのとき、大学1年生のときは、哲学の本読んでも正直あんまり理解できないことも多かったんですけど、病気になって哲学の本読んでみるとすごい理解できるってことがあって。文学の本とか読んでも、なんか前よりも理解が深くなったような感じがして。
やっぱりすごいみんなと同じ生活できないってことが一番こう、痛いし、体の苦しみとかっていうのもあったんですけど、みんなと同じ生活できないっていうことに対しても精神的に苦しみを感じたんで、そのときに結構触れた芸術とか文学、哲学っていうのが、そのときの自分の支えになってると思うし、苦しい思いしてるからこそ芸術とか文学とか哲学が、いっそう自分のものとして迫ってくるというか。すごく、理解できるというとなんかおこがましい、理解できるっていうと本当に理解できてるか分かんないんですけど、前よりも表面的じゃないものとして、自分のもの、自分事みたいに感じられるようになった。
他人の苦しみとか、他人の悲しみとかっていうのが、表面的な理解だったのが、もっと自分のものみたいに感じられるような、そういう気持ちになれる、そういう気持ちが分かるようになったかなと思いますね、うん。
インタビュー37
- リハビリの一環で通っていたプールで、シニアの人たちに会った。膝や腰に痛みがあっても明るく笑っている様子を見て、自分もうまく痛みと付き合えるようになりたいと思った(NEW)
- 患者会には症状が重い人が多く、医師に熱心に相談していた。自分は少しずつ良くなっているので、患者会に参加する人にとって自分は疎ましいのではないかと不安になった(NEW)
- 大学では、今まで通学が無理で諦めていた人もオンライン授業なら横になってでも講義に参加できる。また社会にも、もっとフレキシブルに働ける環境づくりを行ってほしい(NEW)
- 病気をしたことで自分はイレギュラーな存在だと感じ、自分は自分のやり方でやっていくしかないと思った。病気になったことで、個としての自分を打ち出していいと分かった(NEW)
- 病気になってから哲学の本を読んだ時、今まで読めなかった本が理解できるようになっていて驚いた。苦しい思いしてるからこそ芸術や哲学などが自分のものとして感じられた(NEW)
- ずっと診断名が分からなかったことで、父親からは体の痛みを理解されず、普通に卒業できるだろうとプレッシャーがあった。それもあり学生のうちに結婚して家を離れた(NEW)
- 自分にはオンライン授業の方が合っていたように思うが、普通の学生に戻りたい思いもあり、授業の雰囲気や校舎の空気を感じることも大事で、頑張って通学することを選んだ(NEW)
- どうしても電車に乗って大学に行くのは厳しいと先生に相談したところ、オンライン授業で単位を取れるようにしてくれた。一回途切れた学校生活がまた始まるという感じだった(NEW)