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インタビュー時年齢:28歳(2019年9月)
障害の内容:精神障害(反復性うつ病)、発達障害(自閉症スペクトラム障害)
学校と専攻:大学・法学部(2010年度入学)
関東地方在住の女性。高校の時から、秋冬になると気分が落ち込む症状があった。大学入学後は秋になると大学に行けなくなり、2年生でカウンセリングを受け始めた。3年秋冬の就職活動がうまくいかず、その後大学院在学中に、春夏と秋冬で気分に波が出る「反復性うつ病」と、発達障害の「自閉症スペクトラム障害」と診断された。現在は社会人1年目で、一般企業の障害者雇用枠で働いている。
語りの内容
カウンセラーさんからだったかな、障害者雇用で就職するっていうのも有りじゃないかっていうふうに言ってもらって。自分も一般雇用でもいけたかもしれないけれども障害者雇用のほうが、いろいろ配慮をもらって自分の苦手なことは…、やらずに済むかもしれないと思って、障害者雇用での就活っていうのもちょっと考えようと思って。で、そのためには手帳が要るということになって、そのことを、お医者さんのほうにも伝えて、それはもう大学院の2年目ぐらいに伝えたんですけど、すぐにでも手帳を取得しましょうっていうふうにはならなくて。
で、大学院の3年目になったときに、今度はまた就活が始まって、で、手帳は取得してなくても申請中ですっていうふうなかたちじゃないと障害者雇用はできないから、お医者さんのほうに、障害者雇用を考えているんですっていうことを、また言って。そうしたら、6月ぐらいかな。6月、5月ぐらい。5月か6月ぐらいに、じゃあ、あの手帳を取得しましょうかって言って、そこで診断書を書いてもらって、それで、自閉症スペクトラム障害と、反復性うつ病というふうに明確に診断が付きました。
で、それを聞いて、まあ自分としてはすごく納得したというか、その春夏と秋冬で波があるっていうのはもう自覚していて、それに診断名が付いたっていうことですごく納得感があったことと、あと自閉症スペクトラムのほうについても、まあ本当に思い返せばやっぱ子供の頃から友達付き合いが苦手とか、こだわりが強いとか、すごくあったし、大学とか大学院に入ってやっぱりすごく、やっぱコミュニケーションが苦手だなって思ったこととかがすごく説明が付くなと思って、自分もすごく納得しましたね。
やっぱり、まあ自分は、すごく苦手なこともあるっていうのが見えてきたし、コミュニケーションもあんまり上手じゃないから、例えば普通に総合職で入社して、営業とかやるってなると、ちょっと自分には向かないんじゃないかっていう思いもあって。障害者雇用ならいろいろ配慮をしてもらえて自分の働きやすい環境で働けるから、より長く働けるんじゃないかと思って、それで障害者雇用のほうが自分にはいいんじゃないかと思いました。
――7月に、そうやって内定をもらったときは、ご自身としてはどんな気持ちでいらしたんですか。
そうですね。やっぱりすごくうれしかったです。
まあでも、それと同時に何て言うか、まあ障害者雇用でいこうっていうふうに自分で決めてはいたんですけれども、内心何て言うか、これで何だろう、まあ自分の同級生とかは、まあ一般雇用で、まあ特に総合職とかでバリバリ働いている中で、まあ自分ちょっと違う方向へ進んでしまったんだっていう何て言うか、一抹のちょっと、うーん、これで良かったんだろうかっていうような思いはありました。
――その思いは、例えばこう、今もお持ちでいらっしゃいますか?
時々、そう思うことはありますね。
ただ、まあ今働いてみて、やっぱりすごく配慮をもらえて…、もらえるし、すごく働きやすいなと思うので、選択としては良かったとは思いますけど、時々やっぱり同級生に会ったりするとちょっと何て言うか、うん、これで良かったのかなって思うことはあります。
インタビュー32
- 障害者雇用を専門に扱っているエージェントや大学のキャリア支援室等で面接の練習をして、15社くらいにエントリーして、内定をもらえた1社に就職した(音声のみ)
- 就活の際に自分でノートを作って、カウンセリングにかかった時期やうまく行ったこと、行かなかったこと等を整理したことが、会社で配慮をお願いするのに役立った(音声のみ)
- 障害者雇用を勧められ、主治医に診断書を書いてもらい手帳を取得した。診断にも納得し、職場も配慮があり働きやすいが、バリバリ働く同級生との違いを感じたこともあった(音声のみ)
- 学生相談室などに相談できるといい。相談することで、他の資源につながることもあるし、相談することは、自分の障害について理解し、得意不得意を知ることになる(音声のみ)
- 大学のグループワークに参加するまで、自閉症スペクトラム障害について全く知識がなかった。もっと発達障害や精神障害について学べる機会があるといい(音声のみ)
- 学生相談室のほかに、保健センターやキャリア支援室など様々な相談窓口があったが、相互にあまり連携が取れていなかった。お互いが連携を取れるといいと思う(音声のみ)
- 自分は障害者雇用で就活をしたが、大学には障害者雇用に関する知識を持った人が少なく、キャリア支援室も、障害者雇用については知らないことが多いと感じた(音声のみ)
- 初めて一人暮らしをしたときは授業の力配分も分からず、部活や家事などもあって苦労したが、2年生になると手の抜き方もわかってきて生活面は楽になった(音声のみ)
- 当時は自分が発達障害だという意識はなかったが、似たような悩みを持つ人とのグループワークでは自分の悩みも話しやすく、具体的なことを学べたのも良かった(音声のみ)
- 最初に学生相談のカウンセリングに通い始めた時は、男性カウンセラーで話しづらいこともあり、行けなくなった。次の時には、女性のカウンセラーをお願いした(音声のみ)
- 父親は診断名を聞いても「だらけているだけ」と思っていたようだが、その後、大学の保健センターの人から話を聞いて考えが変わり、障害者雇用も理解してくれた(音声のみ)
- 大学を休みがちになっても、実家にいる親にはそのことを言わなかった。心配をかけたくない思いもあり、また出来ない自分を見せたくなかったようにも思う(音声のみ)