インタビュー時年齢:30歳(2018年12月)
障害の内容:肢体不自由(脳性麻痺)
学校と専攻:大学・社会福祉学(2008年度入学)
関東地方在住の女性。脳性麻痺による肢体不自由で、手動車椅子を使っている。高校までは普通学校で、社会福祉を学びに大学へ進学した。大学では寮で一人暮らしをした。勉強面では、試験時間の延長などの対応があった。在学中は、オープンキャンパスのスタッフなど3つほどサークル活動を行った。卒後は、社会福祉施設に就職した。
プロフィール詳細
聖子(仮名・せいこ)さんは、小中高は普通学校で学び、自分のために社会福祉を学びたいと思って大学へ進学した。大学選びでは、「大学案内障害者版」を活用した。またオープンキャンパスにも行って実際のキャンパスの様子を確認したが、オープンキャンパスでは、在籍している障害学生に会えなかったのは残念だった。受験は自己推薦で書類審査と面接で、特にサポートは受けていない。
入学後は寮生活で一人暮らしとなった。入学直前がちょうど寮の改修のタイミングだったため、浴室にスロープを付けるなどバリアフリー仕様にしてもらった。入寮してからは、平日は寮母さんに食事を運んでもらい、電子レンジの持ち込みも許可してもらった。レトルトのものを温めて食べるのも今までやったことがなかったので、大変というより楽しかった。生活リズムが確立できるまでは夜中まで洗濯機を回すこともあり、一人暮らしが初めてで自分でなんでもやってみたいという思いもあったが、大事なのは勉強をすることなので、できることでも周りを頼っていこうと思い、次第に友人に頼むようにもなった。
勉強面では、1年生の科目は、大学に慣れて生活もちゃんと整えるために、授業時間が詰まらないよう余裕を持って履修した。最初はノート作成を希望したが、教員から、高校までノート作成なしで授業についていけていたのなら、なくてもいいのではないか…と提案され、大学に入ったらノート作成を受けられるものだと思っていたので、最初はびっくりした。だが友人にノートを借りたりすることで、乗り切ることができた。試験では、時間の延長などの対応も受けていた。
社会福祉士の実習では、知的障害者施設で実習をした。実習に際しては、事前に教員と一緒に実習施設を訪問して場所を確認した。また、実習現場では配膳することができなかったが、スタッフにお願いして、慣れてくると利用者さんが配膳を手伝ってくれたこともあった。
大学の健診では、身長は計らず、胸部レントゲンも検診車に乗れないので撮らなかった。体重も量らなくていいかなと思ったが、友人に抱きかかえてもらって友人の体重を引いたものを記入することもあった。尿検査は、事前に健康管理室の看護師や母親に採尿してもらうといった工夫をしていた。
大学では3つのサークルを経験した。障害学生の授業サポートをする活動では、障害学生の当事者として感じていることを話す役割を担った。またオープンキャンパスのスタッフになり、実際に受けた授業サポートのことなど、自分の経験を受験生に話すことができた。
卒後は、障害者の就労支援施設に就職した。職場では、同僚に対して、自分のできること・できないことを伝えるように心がけていた。自分は人にものを伝える時、絵を描いたり実際自分が動いて説明することが難しい。だが施設の利用者の方も、自分の表情などを一生懸命理解しようとしてくれて、一緒に仕事をしていく仲間として捉えてもらっていたと思う。障害があっても、できること・できないことを伝えていけば、社会で多様な人と共に生活することはできると感じるので、今後自分もそれをしっかり考えていきたい。
大学生は、社会に出る前に守られながら色んなことにチャレンジできる時期。周りに、自分のできること・できないことや、自分はどういう人間かを伝えながら、楽しい大学生活を送ってほしい。
入学後は寮生活で一人暮らしとなった。入学直前がちょうど寮の改修のタイミングだったため、浴室にスロープを付けるなどバリアフリー仕様にしてもらった。入寮してからは、平日は寮母さんに食事を運んでもらい、電子レンジの持ち込みも許可してもらった。レトルトのものを温めて食べるのも今までやったことがなかったので、大変というより楽しかった。生活リズムが確立できるまでは夜中まで洗濯機を回すこともあり、一人暮らしが初めてで自分でなんでもやってみたいという思いもあったが、大事なのは勉強をすることなので、できることでも周りを頼っていこうと思い、次第に友人に頼むようにもなった。
勉強面では、1年生の科目は、大学に慣れて生活もちゃんと整えるために、授業時間が詰まらないよう余裕を持って履修した。最初はノート作成を希望したが、教員から、高校までノート作成なしで授業についていけていたのなら、なくてもいいのではないか…と提案され、大学に入ったらノート作成を受けられるものだと思っていたので、最初はびっくりした。だが友人にノートを借りたりすることで、乗り切ることができた。試験では、時間の延長などの対応も受けていた。
社会福祉士の実習では、知的障害者施設で実習をした。実習に際しては、事前に教員と一緒に実習施設を訪問して場所を確認した。また、実習現場では配膳することができなかったが、スタッフにお願いして、慣れてくると利用者さんが配膳を手伝ってくれたこともあった。
大学の健診では、身長は計らず、胸部レントゲンも検診車に乗れないので撮らなかった。体重も量らなくていいかなと思ったが、友人に抱きかかえてもらって友人の体重を引いたものを記入することもあった。尿検査は、事前に健康管理室の看護師や母親に採尿してもらうといった工夫をしていた。
大学では3つのサークルを経験した。障害学生の授業サポートをする活動では、障害学生の当事者として感じていることを話す役割を担った。またオープンキャンパスのスタッフになり、実際に受けた授業サポートのことなど、自分の経験を受験生に話すことができた。
卒後は、障害者の就労支援施設に就職した。職場では、同僚に対して、自分のできること・できないことを伝えるように心がけていた。自分は人にものを伝える時、絵を描いたり実際自分が動いて説明することが難しい。だが施設の利用者の方も、自分の表情などを一生懸命理解しようとしてくれて、一緒に仕事をしていく仲間として捉えてもらっていたと思う。障害があっても、できること・できないことを伝えていけば、社会で多様な人と共に生活することはできると感じるので、今後自分もそれをしっかり考えていきたい。
大学生は、社会に出る前に守られながら色んなことにチャレンジできる時期。周りに、自分のできること・できないことや、自分はどういう人間かを伝えながら、楽しい大学生活を送ってほしい。
インタビュー03
- 大学案内を取り寄せたが、情報が少なかった。オープンキャンパスに行ったときは、障害学生の学生スタッフがいると良かった
- 本当はノートテイクを希望したが、これまでなくてもできていたならその方法でなくてもいいのではないかと大学から言われた。結局、授業の録音を行うことにした
- 定期試験では、テスト問題の拡大と時間延長を受けていた。授業科目が増えると試験の時間が普通の人より長く体力的にきついので、試験の日程をずらしてもらっていた
- 1か月弱の間、喫茶店や織物などの手作業をする知的障害のある方の通所施設で実習をした。配膳用のお盆が運べなかったが、慣れてくると、利用者さんが手伝ってくれた
- 障害学生を多く受け入れる大学だったので、オープンキャンパスで障害のある在校生と話ができたらいいだろうと思い、オープンキャンパスの学生スタッフとして活動した
- 車椅子で一般企業は難しいと考え、障害の当事者として仕事ができそうな社会福祉関係に絞って障害者雇用枠で受験したが、社会福祉の現場だからこそ働くのは難しいといわれた
- 寮では自炊することになっていたが難しかったので、食事は男子寮の寮母さんから食事の提供を受けた。特別に持ち込みを許可された電子レンジを使うこともあった
- 最初は全て自分でやらなくてはと夜中まで洗濯機を回すこともあったが、次第に自分が出来ることでも周りを頼らないと生活が成り立たないと思い、友人に頼むようになった