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インタビュー時年齢:47歳(2019年1月)
障害の内容:発達障害(ADHD:注意欠陥多動性障害)
学校と専攻:大学・教育と心理(2010年度入学)、大学・生活と福祉(2012年度入学)
関東地方在住の男性。子どもの頃からノートが取れないなど人と違うところがあったが、社会人になり仕事がうまくいかなかった時に診断を受けた。作業所に通い、一人暮らし開始をきっかけに通信制の大学で学び始め、配慮を受けながら非常に多くのことを学んだ。人からは、ムードメーカーだとよく言われる。趣味は折り紙と映画。現在は一人暮らしを続けている。
語りの内容
あの、発達障害って生きづらいってスポットをみんな当てたがるんだけど、逆に僕はね、発達障害って生きやすさってあるんじゃないのって、そこから始まりましたね。それで空気読めないって、まあ、よくいわれるんですけど、お笑いの本質って空気読まないんだよねってあって、ね。だから僕、今のお笑いって面白くなくなったって、言う人結構多いんだけど、あれ、空気読むのって面白くないよね。
お笑いっていうのは結局は予測できないから面白いわけで、それって空気読んでないよね。僕も割と「空気読まない人だね」って言われるんだけど、ね、空気読まないの面白がってもらえたんだねっていうのと、あとは、ね、多数派の同調圧力っていうのもね、カウンターとしては、あの、その空気読まないっていうのは非常によく働くので。
だから、ね、発達(障害の)、生きづらさばっかりスポットを当てないで、発達障害の人って発達障害に逆に生きづらさ、生きやすさっていう部分があるんじゃないかなって。そういうとこにね、スポットを当てて見てみると、ね、まあ、自分を好きになれるんじゃないかなと思いますね。
やっぱり自分は、やっぱりさっきも言ったけど「普通」っていう言葉がどうしても関わってくるわけで、自分は普通じゃないから周りにいる人に変に見られるっていうのはあって、そこでね、やっぱり明るい、まあ、前向きな開き直りっていうのが僕、すごく大事になるんだけど、それって結構難しいことかなって思うときもあるんだけど。やっぱり、ね、自分を変につくらないで面白がってもらえるっていうのが僕、すごく大事だったと思うんだけど、それだったら自分を面白がってもらえる何かそういうね、あの、と、突き抜けたとか、そういうとこあるといいかなと思うんですよね。
だから、人を楽しませることを何か一つ身に付けておいたほうがいいよねっていうのが、やっぱりそれ、すごく大事だし。あとは、周りの人を面白がるってことがすごく大事でね、うん。やっぱり好奇心で相当、僕はやっぱりすごく助けられたとこがあるから、うん、そこはね、人間好きになってくださいって言うとちょっと酷なこと言っちゃってんのかなって思うかも、し、まあ、あるんだけど、でも、人間嫌いにならないでねっていうのはやっぱり言いたいですね。うん。自分で自分を面白がってくださいっていうのは、ちょっと抽象的な言い方なのかもしんないけど、そう自分でね、自分を面白がってくれると、面白がってると、やっぱり、ね、そのうち周りの人がね、面白がってくれるようになるわけで。うん。
インタビュー06
- 社会人を経て、一人暮らしを始めたタイミングで時間が自由になり、前から大学で学びたかったので、大学に行き始めた
- 通信制大学は、好きなペースで学ぶことができ、学費も安く、無理なく続けていける人がいっぱいいるのがいい
- 試験は個室受験で周りを気にせずに済み、試験の形式も記述式とマークシートが選べたので、字を書くのが苦手なためマークシートを選んだ
- 文化人類学や比較行動学など様々な科目を取りながら、多角的に自分のことも知ることが出来た。様々な知識や考え方に触れて、確実に人生が豊かになった
- 社会は発達障害の生きづらさにスポットを当てたがるが、生きやすい部分もあると思う。「普通」という言葉が気になってしまうが、前向きな開き直りも大事だと感じる
- 子どもの頃にノートが取れないとだめだと言われたり、縦笛が吹けなくて留年寸前までいった。だがみんなが同じことができるわけではないし、学び方は一つではない
- 目の前にいる人に対して全力で向き合うのがADHDの人のコミュニケーションパターンだと感じる。自分も相手に対して出し惜しみしないで、一期一会の出会いを大事にした
- 一人暮らしは全部が自己責任で、思った以上に判断力がついた。片づけが苦手で、一人暮らしは苦労の連続だが、母親から「こんなに強かった?」と言われたこともある