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インタビュー時年齢:47歳(2019年5月)
障害の内容:視覚障害(全盲)
学校と専攻:大学・社会学部(2016年度編入学)、大学院(2019年度入学)
首都圏在住の男性。小学校入学時は普通学校だったが、4年生から特別支援学校で過ごした。高校卒業後はあんま・はり・灸の3つの資格を取り、医療機関で働いた。その後思うところがあり、視覚障害者に関する障害福祉の研究をしたいと思って、大学に編入学し、現在は大学院に通っている。幼少のころからずっと音楽に親しみ、一時はプロを目指したこともある。現在は、一人暮らしをしている。
語りの内容
うーん。やはりですね、あの…、自分がこうなったらいいなと、こういう環境だったら住み心地がいいなとかっていうのは、やはり声を大にして伝えるべきです。で、また、その運動家のように運動してメガホンで叫ぶではないですけど、そうやって皆さんの民衆に伝えることも一つの手段ではあるものの、やはり文字の力って、は大きく、そして文字の、ちか、文字っていうのは、あの、ずっと残りますからね、保存状態が良ければ。
やはりその文字で自分の、なったらいい、えー、社会をつくっていくために、どうしたら、あ、かなうことができるか。あと先人の過去の同じような気持ちを持っている人の書物を読み、それを引用しながら、あの、新たな方法を探っていくっていう、そういうものが研究だと思っているんですよ。だから、そういう力を付けてくる、付ける、付ける所は大学院だと思います。それも大学院の修士活動の基礎をつくるところであって、その、ぜひですね、自分のお友達、家族、そうですね、周りの知人、近所に住む人たち、えー、そしてまた出会っていない、あの、方たち。
そして、あの、自分がつく、こうだったらいいなっていう世界をつくりたいと思うのであれば、やはりその自分の気持ちを文字として残せるような力を付ける、うーん、ところっていうのが、の一つとして選択はやっぱりその大学院に入学して論文を書く力を、あの、養うというところを選んでいただけたらなと思います。
特にやっぱり、あの障害者の、マイノリティーである、まあ、障害者、障害に関する、障害を持つ方、そうですね、最近の報告で言うと、うーんと、2019年4月に発表された、えー、厚生労働省の、えーと、実態調査があるんですけど、これ、まあ、正式な名前は忘れちゃったな、これでですね、えー、その人口を1,000人にしたときに障害者の数の総数は74人となるよと。まあ、えー、1,000人いるのは、ぜ、人口1億2,000万人ぐらいいるんでしょうか。それを1,000人として例えると、うん、置き換えると74人は障害者、そのうちの2人が、74人のうちの2人は視覚障害者だっていう計算をされてましたね。
ですから、その74人の意見を1,000人に対して訴え掛けていく。まあ、100引く、あの、1,000引く74だから、計算すると、ちょ、まあ、できないんだけど、訴えていくには、やはり、やはりですね、声を大にしても、声届くとこの範囲は決まっているので、やはり文字としてどんどん残せ、し、残していく力を付ける、これがやっぱり大学院だと思っているんです。だから、ぜひですね、その大学院の門をたたくことをお勧めしたいなと思っております。
インタビュー17
- 特別支援学校の高等科にあんまマッサージ、はり・きゅうの資格が取れる課程があった。自分は行きたいと思っていなかったが、親に泣きつかれて資格を取った
- あんまや鍼灸の仕事に満足していたが、他の視覚障害の方たちが不満を抱いているのを知り、自分だけ幸せじゃいけないんじゃないかと思い始めたのが大学進学のきっかけだった
- 自分がこうあってほしいと思うことを社会に対して伝える手段として、思いを形に残せるようにするために、大学院の門を叩くことをお勧めしたい
- 学部は支援センターなどが多いが、大学院は必ずしもそうではない。支援の窓口や専門のスタッフを各大学院に置いてもらえると、障害者の研究者が生まれやすくなると思う
- 本をスキャンしてデータで読む作業は、ものすごい労力がかかる。最初から書籍データを入手できる場合もあるが、それを著者が許可していないこともあり、改善が必要だと思う
- 通信制の大学でたまたま会った教授に惚れ込み、その教授に認めてもらおうと思って一生懸命学んだら、その教授のゼミにも招待されて、それが大学院進学のきっかけになった