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インタビュー時年齢:29歳(2021年8月)
障害の内容:内部障害(卒業後に線維筋痛症と診断された)
学校と専攻:大学・文学部(2012年度入学)
関東地方出身の女性。入学当初は元気だったが、1年生の秋から体に痛みが出始め、様々な医療機関にかかるも2年生で徐々に症状が悪化して、3年生で休学した。休学3年目に大学と相談してオンライン授業で復学し、一時は通学もしたがやはり体力的に難しく、再度の休学を挟んで2020年3月に卒業した。卒業後に、病名が分からない人を診ている医療機関で線維筋痛症と診断された。
語りの内容
大学に関する要望としては、やっぱりもっとオンラインでの授業を当たり前のものとして学生が受けられるようにしてほしいっていうのは一番ありますね。やっぱり私自身も体調悪くて大学通えないっていう体験をしてるので。でも、そのときにオンラインで授業を受けられて、本当だったら多分もらえなかった単位だと思うんですけど、オンラインだったら、例えば具合悪くて横になっててでも講義には参加できるし、ちょっと家の外に行くことができない体調であっても、家の中だったら受講できるっていう体の状態の方もいると思うんですよ。
でも、そういう人たちも、今までだったら通学がメインの大学の教育システムだったら大学に行くことを諦めていた人たちでも、オンラインで講義が、講義とかゼミに出るってことが当たり前になってる世の中だったら、そういう人たちに対する学習の門戸って絶対開かれると思うし。その場所にとらわれない学習のあり方っていうのを、今コロナ禍でそういうのってすごく進んでると思うんですけど、やっぱりまだまだだなって思うので、大学、教育を提供する人たちは、やっぱりオンラインでも、オンラインでも対面でも授業が受けられるようにっていうふうにしてもらえるといいかなって思います。
社会に関する要望は、やっぱりオンラインでいろんなことできるようにもっと進めてほしいっていうのはありますね。私自身、自分で体調をコントロールできる間は、結構普通の人と同じようなことはできるので、ときどき人よりも多く休んだりだとか、ストレッチの休憩が必要だとかってのはあるんですけど、休み休みだったら多分普通の人と同じように仕事したりとかも多分できるんだろうし、なので、もっとオンラインでフレキシブルに働ける環境づくりとかはしてほしいです。
なかなか難しい、簡単ではないと思うんですけれども、やっぱりいろんな障害や病気がある人っていうのがいるっていうのをもっとこう、可視化して、そういう人たちに対して優しい社会とかっていうのをつくってほしいなと思うんですけど、今SDGsとか、誰も取り残さないような社会や環境をつくろうっていう働きが実際世界的に進んでる中で、日本がそれをどれだけできるのかっていう、自分なりに懸念もありますし。
インタビュー37
- リハビリの一環で通っていたプールで、シニアの人たちに会った。膝や腰に痛みがあっても明るく笑っている様子を見て、自分もうまく痛みと付き合えるようになりたいと思った(NEW)
- 患者会には症状が重い人が多く、医師に熱心に相談していた。自分は少しずつ良くなっているので、患者会に参加する人にとって自分は疎ましいのではないかと不安になった(NEW)
- 大学では、今まで通学が無理で諦めていた人もオンライン授業なら横になってでも講義に参加できる。また社会にも、もっとフレキシブルに働ける環境づくりを行ってほしい(NEW)
- 病気をしたことで自分はイレギュラーな存在だと感じ、自分は自分のやり方でやっていくしかないと思った。病気になったことで、個としての自分を打ち出していいと分かった(NEW)
- 病気になってから哲学の本を読んだ時、今まで読めなかった本が理解できるようになっていて驚いた。苦しい思いしてるからこそ芸術や哲学などが自分のものとして感じられた(NEW)
- ずっと診断名が分からなかったことで、父親からは体の痛みを理解されず、普通に卒業できるだろうとプレッシャーがあった。それもあり学生のうちに結婚して家を離れた(NEW)
- 自分にはオンライン授業の方が合っていたように思うが、普通の学生に戻りたい思いもあり、授業の雰囲気や校舎の空気を感じることも大事で、頑張って通学することを選んだ(NEW)
- どうしても電車に乗って大学に行くのは厳しいと先生に相談したところ、オンライン授業で単位を取れるようにしてくれた。一回途切れた学校生活がまた始まるという感じだった(NEW)