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インタビュー時年齢:26歳(2020年12月)
障害の内容:肢体不自由(下肢障害)
学校と専攻:大学・工学部(2014年度入学)、大学院・機械工学(2018年度入学)
関西圏在住の男性。脊椎・胸郭異形成症による体幹機能障害で、短い距離は歩くことはできるが、外出には電動車椅子を使用。軽度の難聴もあり、骨伝導の補聴器を使っている。小・中学校では普通学級で学び、高校に進学してまもなく大きな手術を経験して1年間休学した。国立大学に進んで機械工学を学び、大学院に進学して修士号を取得。総合職の技術職として採用してくれるところを求めて就活をして、大手電機メーカーに就職して研究開発の仕事に従事している。
語りの内容
大学のサークルで運営をしたりとか、地域を、「地域に根差す団」という言葉がありまして、(自分のサークルは)それが、キャッチコピーじゃなくて、モットーみたいなものがありまして、自分は、地域に根差すとはどういうことかということを考えて、地域の人に知ってもらわないと話にならないんじゃないかと思いまして、あとは、定期演奏会っていうのもあるんですけど、年に1回。どうやったら、人が増えるんだっていったら、知ってもらわないと、まず増えないだろうって話で、そういったことから地域での慰問演奏とか、一般的には当たり前だと思うんですけど、よくある話で。
自分はデイサービスでアンサンブルしようって話をして、自分が運営のときに。みんなにその提案をしてやって、それで写真撮ったりして、向こうの人に、「この写真、使っていい写真、ありますか」みたいな話をして、「顔が写ってない写真でしたら、いいですよ」って確認してもらった上で、地元のローカル新聞にですね、電話して、「こういう寄稿をさせてくれないか」って話をして、それはですね、「あ、いいですよ。ただ、その写真とかを確認してくださいね」っていう話で言われて、「ああ、はい」って言って、で、施設の人に確認して、あとは後輩の感想、参加した1年目の後輩とかに感想を聞いたりとか、向こうの人の感想とかを自分で集めて文章を書いて、それを新聞社に送ってっていうことをしたらですね、当時、地区体育館の館長をされてたある方がですね、ローカル新聞を読んでる方らしくて、目に止まっちゃったらしくてですね、その新聞に出て、じきに電話がかかってくるんですよね、大学に。自分たちの所につながって、「今度、一緒にイベントをやってくれないか」みたいな。
あとは、介護施設みたいな、そういう所の文化祭みたいなときに、最後に演奏させてもらうとか、そういった感じで、年を通していろんなイベントに出てみたいなことをして、地域に根差すってことをはっきり言えるようにみたいな。
それで、「700人来ました」とか、「そういったイベントをやりました」とか、「記事にして読んでもらいました」とか、「評価されました」みたいな情報も合わせてですね、当時の吹奏楽サークルを「文科系の内容で学生表彰してください」みたいな感じで顧問の先生に推薦してもらって、サークルとして、その年度の文化の文化活動において、「よく頑張りました」みたいな感じで、学長からのサークル宛てに学生表彰をもらうみたいな、そこまで持ってったのは頑張りまして、ちゃっかりそれも書いたんですけど、(就活の時の)履歴書には。そうですね。そういったところが普通の人と違ったかなって。なんで、障害者といえど、まあ、聞いてもらったら分かるんですけど、あんまり障害者らしくないのかもしれない。
その吹奏楽も、学生連盟がありまして、集まると120人で演奏会とかやるんですね、合同演奏会を。それは各大学、理事を出してるんですけれども、自分は1年間、自分はその吹奏楽で大学のサークルの運営をしながら、その理事も担当して、1年間、毎週移動して会議に出て、自分の大学の定期演奏会の2カ月前にそっちの合同演奏会の運営をしたりとか、120人ぐらいの。だからそっちも同じように、仕事分かれて、トップがいて、書記とかいて、広報がいてみたいな、自分は広報で、ホームページと宣伝と練習風景の記録とか、そういうことをしてて、今で言うTwitterとかFacebookで、その合同演奏会までの道のりを、どんどん流して、「こういうふうに練習に向かってますよ」とか、そういったことや、あとは、大きい新聞に、「こういうイベントあります」とかいうのをまた寄稿したりとか、とにかく、その仕事としては、集客を増やすこと、あとは記録をすること、それを目的に、その仕事をしてみたいな。あとは、パンフレットを作ったりとか、そういうことをやってました。もうある意味、らしくないと思います。障害者らしくないというか。まあまあ、何か、なめられたくないとか、そういう気持ちが根底にあるのかもしれない。ひねくれてるのかもしれないんですけど。そんな感じで。
だから、自分は、障害者で、学生として、何ていうんですかね、困難とか、克服とか、工夫とか、努力、学業以外の面でも自分にできることを見つけて、ともかく自分にできることはあるはずだと、周りの人のために自分ができることはあるはず、それをやったまでみたいな。という感じの学生生活をして、今、ここにいます
理工系インタビュー11
- 振動工学の研究室では一人で実験するのは危ないということで、シミュレーションを使った研究を選んだ。手を動かすことが好きなので実験できないのは寂しかった(音声のみ)
- 技術職として就職した会社では実験も他の人と同様にやらせてもらっている。最初から「こういう人間だからこの仕事」と決めつけることのない社風がありがたい(音声のみ)
- 機械工学科は学生数が多く、優秀な人がたくさんいる中でどうやって差別化するかを考えて、ユニバーサルデザイン関連の資格試験を受けて自分に付加価値を付けた(音声のみ)
- 企業ホームページに障害者雇用のタブがあってもそちらで総合職採用されるのかわからず、直接聞く勇気もなくて不安で、20社ぐらいにエントリーシートを出した(音声のみ)
- 自宅は地元だったが、入学前に通学でバスを2回乗り換えることを伝えたら、寮を使わせてもらえることになった。学内の車道の見通しが悪い所の木も切ってもらった(音声のみ)(NEW)
- 活動は地域に根差した活動をすることがモットーで、定期演奏会などがローカル新聞に掲載され、活動が広がった。学生連盟の理事もして、120人規模の演奏会をした(音声のみ)(NEW)