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インタビュー時年齢:47歳(2019年1月)
障害の内容:発達障害(ADHD:注意欠陥多動性障害)
学校と専攻:大学・教育と心理(2010年度入学)、大学・生活と福祉(2012年度入学)
関東地方在住の男性。子どもの頃からノートが取れないなど人と違うところがあったが、社会人になり仕事がうまくいかなかった時に診断を受けた。作業所に通い、一人暮らし開始をきっかけに通信制の大学で学び始め、配慮を受けながら非常に多くのことを学んだ。人からは、ムードメーカーだとよく言われる。趣味は折り紙と映画。現在は一人暮らしを続けている。
語りの内容
一人暮らししたって話になるんですけど、ADHDの人っていうのはですね、ある程度自分、やっぱりADHDの人が能力出すっていうのは全部自分の責任で置かれた、で、解決しないといけない環境に置かれたときだと非常に伸びるらしいんですよね。
一人暮らしすると他人のせいにできないわけですよね。だから結局はね、あの、お米の炊いたときにスイッチ入れ忘れて食べられませんでしたっていうと、もう自分の責任だよねって、もう納得せざるを得ないので。
そこはやっぱり、(自分は)一人暮らしして非常に片付けとか苦手で、苦労の連続だっていうのは分かり切っているわけなんですよ。それを覚悟で、分かった上で来たんですけど、思った以上にね、判断力付いたりとか。うちの母親も、「おまえってこんなにね、強かったっけ」って話で、そんな話でね、まあ、だいぶ強くなったねとは。
一人暮らし始めて、もうすぐ10年ですけど、あれ、もうね、どんどんひどくなるよねって。うちの母、たまにうち来て「この物の多いのどうにもなんないの?」って言うんですけど、まあ、発達障害の人、収集癖ありますので、そこはね、うちのヘルパーさんも、うーん、物の多いのしようがねえって話と、これね、財産だからって、こんだけコレクションすんのにどれだけ時間とお金かけたのっていうの分かってるので、そこはね、うん、まあ、逆に物があふれてないと落ち着かないっていうの分かってるので、そこはね、どうせ人来ないからねって話で、まあ、そんな感じでね、うん。
インタビュー06
- 社会人を経て、一人暮らしを始めたタイミングで時間が自由になり、前から大学で学びたかったので、大学に行き始めた
- 通信制大学は、好きなペースで学ぶことができ、学費も安く、無理なく続けていける人がいっぱいいるのがいい
- 試験は個室受験で周りを気にせずに済み、試験の形式も記述式とマークシートが選べたので、字を書くのが苦手なためマークシートを選んだ
- 文化人類学や比較行動学など様々な科目を取りながら、多角的に自分のことも知ることが出来た。様々な知識や考え方に触れて、確実に人生が豊かになった
- 社会は発達障害の生きづらさにスポットを当てたがるが、生きやすい部分もあると思う。「普通」という言葉が気になってしまうが、前向きな開き直りも大事だと感じる
- 子どもの頃にノートが取れないとだめだと言われたり、縦笛が吹けなくて留年寸前までいった。だがみんなが同じことができるわけではないし、学び方は一つではない
- 目の前にいる人に対して全力で向き合うのがADHDの人のコミュニケーションパターンだと感じる。自分も相手に対して出し惜しみしないで、一期一会の出会いを大事にした
- 一人暮らしは全部が自己責任で、思った以上に判断力がついた。片づけが苦手で、一人暮らしは苦労の連続だが、母親から「こんなに強かった?」と言われたこともある