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インタビュー時年齢:47歳(2019年1月)
障害の内容:発達障害(ADHD:注意欠陥多動性障害)
学校と専攻:大学・教育と心理(2010年度入学)、大学・生活と福祉(2012年度入学)
関東地方在住の男性。子どもの頃からノートが取れないなど人と違うところがあったが、社会人になり仕事がうまくいかなかった時に診断を受けた。作業所に通い、一人暮らし開始をきっかけに通信制の大学で学び始め、配慮を受けながら非常に多くのことを学んだ。人からは、ムードメーカーだとよく言われる。趣味は折り紙と映画。現在は一人暮らしを続けている。
語りの内容
(大学に)入ってですね、障害者の配慮してくれるっていうのがあって、試験がまずね、個別試験なんですね。個室試験なので、そこはやっぱりね、周りでやっぱり、
鉛筆の、答案で書いた鉛筆の音とかですね、非常にそこがですね、気になるときあるんですね。気になるので、そこは、やっぱり(音が気になることが)なくて割とのんびりとできた、自分のペースで試験を受けられて非常にいい成績取れたので、そこは非常に助かりましたね。
あと授業ですけど、授業は放送大学って割とですね、選択、あの、試験がですね、記述式と、あとは選択式、あの、マークシート式の問題あるんですけど、なるべくマークシート式の問題選んだので。だからそんなにね、僕、字書くの苦手なんですけど、そこは割と苦労せずに単位取れたので、そこは助かりましたね。
あと記述式の問題ですけど、やっぱり文字書くの苦手なんで割とね、あの、漢字で書くとこをですね、割と平仮名で答えたんですけど、字書くの苦手ですからっていうことをしっかりと伝えて、そこはね、あの、大目に見てもらったりとか、はい、採点のときにね。
あとは、レポートを出さないといけない面接授業だったんですけど、そこはね、やっぱりレポート書くの苦手ですって言ったら、授業に積極的に参加したのでレポート免除してあげるって言われて単位取ったことも何度かありましたね…。はい。
――それは、もう個別に、その担当の教員と(相談したんですか?)。
そうです。はい。交渉しましたね。はい。あ、でもね、授業積極的に参加してたんで、レポートは免除しますって話で、はい、理解ある先生は割とそれでね、幾つか(単位を)取らせていただけましたね。
インタビュー06
- 社会人を経て、一人暮らしを始めたタイミングで時間が自由になり、前から大学で学びたかったので、大学に行き始めた
- 通信制大学は、好きなペースで学ぶことができ、学費も安く、無理なく続けていける人がいっぱいいるのがいい
- 試験は個室受験で周りを気にせずに済み、試験の形式も記述式とマークシートが選べたので、字を書くのが苦手なためマークシートを選んだ
- 文化人類学や比較行動学など様々な科目を取りながら、多角的に自分のことも知ることが出来た。様々な知識や考え方に触れて、確実に人生が豊かになった
- 社会は発達障害の生きづらさにスポットを当てたがるが、生きやすい部分もあると思う。「普通」という言葉が気になってしまうが、前向きな開き直りも大事だと感じる
- 子どもの頃にノートが取れないとだめだと言われたり、縦笛が吹けなくて留年寸前までいった。だがみんなが同じことができるわけではないし、学び方は一つではない
- 目の前にいる人に対して全力で向き合うのがADHDの人のコミュニケーションパターンだと感じる。自分も相手に対して出し惜しみしないで、一期一会の出会いを大事にした
- 一人暮らしは全部が自己責任で、思った以上に判断力がついた。片づけが苦手で、一人暮らしは苦労の連続だが、母親から「こんなに強かった?」と言われたこともある