インタビューでは多くの人が、手術や放射線療法など標準的ながん治療を受けた後に、日常生活の中で体調管理や再発予防のために行っていることや気を付けていることについて話していました。がんと診断されたことをきっかけに、食生活や睡眠時間、運動習慣などを改めたという人もいれば、物事に対する考え方を改めたという人もいます。また、免疫力を高めるとされる、さまざまな健康法に挑戦している人もいます。必ずしも科学的に効果が証明されているものばかりではありませんが、そこには専門家の助けを借りずに、自分でできることをやろうという前向きな姿勢が感じられます。
食生活の見直し
食生活については、多くの人が前立腺がんと関係すると言われている肉や乳製品、高脂肪食品を控えて、玄米菜食もしくは野菜中心の食事に変えたと話していました。野菜の中でもトマトやニンジン、玉ネギといった特定の野菜を、がんに対する予防効果を期待して、多く摂るようにしているという人もいました。また、嗜好品ではたばこをやめたという人、お酒を赤ワイン中心に切り替えたという人もいました。
生活習慣の見直し
また、がんの診断を受けたことを機に、生活全般を見直して規則正しい生活に戻そうと考える人もいます。中でも睡眠時間は十分に取るべきだと考えている人が少なくありませんでした。一方、ウォーキング、自転車、ゴルフ、社交ダンスなど、積極的に運動をするようになった、という人たちもいます。
いろいろな健康法
さらに、特にがんに効く、ということでなくても、呼吸法や爪もみなど免疫力を高めるのに役立つとされる「健康法」を実践している人もいます。入浴については、リラックスできることに加えて、温熱療法(詳しくは補完代替療法をご覧ください)のような効果や温泉に含まれるラドンなどの成分による効果に期待を寄せる人もいました。
ストレスを減らす
さらに、ストレスをがん発症の原因と考える人たちは、なるべくストレスをためない生活を心掛けていると話しています。具体的には、自然に親しむ、やりたいことを見つけてそれに打ち込む、努めてプラス思考になるなど、中には「ストレス解消の特効薬として好きなお酒を飲んでいる」という人もいました。「笑いが免疫力を高めるということで寄席に行くことを勧められた」という人もいますし、「ストレスを減らすために作り笑いでもいいから笑顔で過ごすことで夫婦関係がよくなった」と話す人もいました。
これまで通りの生活を続ける
中には「退院してからはがんのことはけろりと忘れて、特に何も気を付けていない」という人もいます。ストレスをためない、ということも関係するのかもしれませんが、これまで通り美食を続けたり、煙草も続けていたり、という人も少数派ながらいました。また、「がんになっても病人にならない」ように、意識的に診断前と生活習慣を変えていない人もいました。
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